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それから二年、高校三年の秋。
どちらもバレることなく仕事を続けていた時だった。
『ただいま』
母「おかえり、A」
学校から帰ってきたAがリビングに来ると、
そこには同じく制服姿の広臣と、滅多に見ない両親が居た。
その傍らには見たことも無い子供が二人居る。
『あ、の、どういう状況ですか？』
父「説明するから、そこに座りなさい」
父に促されて、広臣の隣に腰を下ろすと話が始まった。
母「今日から弟になる壱馬くんと北人くん。
どっちも五歳の子よ」
父「母さんのお兄さんの子供なんだが、色々あってな。
暫く家で預かることになった」
口数の少ない広臣とAは何も言えないまま、二人を預かることになった。
母「それじゃ困ったことあったら連絡して」
『……はい』
母「それとこれ、読んで」
『これって……』
廊下で母親を見送ったAは、貰った紙を広げた。
そこには全ての顛末が書いてあった。
二人は再婚同士の連れ子で血の繋がりはないこと。
二週間ほど前の事故で両親を亡くしたこと。
両親の葬儀に参加したものの、一度も涙を見せていないこと。
周りの親族から毛嫌いされていたこと。
それらを記した手紙の内容に、Aは言葉が出ないままリビングに戻った。
広臣「じゃあ北人はいつきくんと仲良いんだ？」
北人「うん！いっちゃんね、ずっとないてたんだよ。
ばいばいいやだ〜って」
リビングでは、広臣がラグの上で二人を膝に抱えて話してた。
仕事柄相手に寄り添うのは得意なんだろうなと見てると、北人が気づいた。
北人「おねえちゃん！」
『お待たせ、臣くんとは話せた？』
北人「うん！たっくさんおはなしきいてくれるんだよ！」
『そっか、良かったね。
壱馬くんは？』
壱馬「はなすの、すきじゃない……」
『そうなの？』
お喋りの北人と黙り込んだ壱馬。
元から話さなかった二人は、気まずさを感じてしまった。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
