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広臣(明けましておめでとう、一緒に過ごせなくてごめんね。か)
広臣はAの母親から届いた連絡にため息を吐いた。
年越しが両親と越せないのは何となく分かっていた。
そもそも海外に居るのなら尚更。
『壱馬、北人、ちゃんと服着てる？』
壱馬「……ん」
北人「きてるよー」
『広臣、準備できたから連れてってあげて』
広臣「…………無理そうか今年も」
『……うん』
ごめん、と震えた声でAが謝る。
何も分からない二人は、首を傾げる。
広臣「今日は、お兄ちゃんと初詣行こう」
北人「じんじゃいくの！？」
壱馬「……かず、いきたくない」
北人「なんでよ〜いっしょにいこうよ〜！」
広臣「壱馬、去年を過ごせたことを感謝しに行こう」
『壱馬、お姉ちゃんにお守り買ってきてよ』
壱馬「おまもり？」
『うん』
機転を利かせたAは、壱馬と北人の頭を撫でる。
『これと同じやつ』
ポケットから取り出したAは笑って広臣を見た。
『ごめん、よろしくね』
広臣「行くぞ」
壱馬と北人は、広臣と手を繋いで家を出た。
その様子を自室で聞いたAは、耳を塞いで布団に閉じこもる。
･
･
･
雪が積もる寒い日、
冷たい手が頬に触れた。
「A、明けましておめでとう」
『おとうさん……？』
全身が痛む中、聞こえたのは、
「お前は生きろよ」
血塗れの父親が伝えたその言葉。
＿＿＿1月1日、高速道路で十台以上が絡む交通事故が発生。
＿＿＿トラックと壁に挟まれた乗用車に乗っていた男性が死亡。
･
−−−その時の光景が頭から離れない。
･
･
･
暗い寝室の中、Aは震えながら息を吐き出した。
『帰ってきて、壱馬、北人』
『広臣……』
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
