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壱馬がようやく泣いたあの日から一ヶ月。
十二月下旬にあることといえばクリスマス。
なのだが。
『いや、普通に辞めたんで出勤しません』
広臣「やるわけないだろ、辞めてんだよこちとら」
可愛い弟たちと過ごせるかと思えば、
お互いの古巣から出勤願が来ていた。
ここ二週間。
『弟居るんで無理です』
広臣「弟との時間取るなって、辞めたんだから」
そこをなんとか！と粘られる二人。
『売上なら夏恋だって』
広臣「涼太居んだろ」
『はぁ？』
広臣「ぁ？」
『インフル！？』
広臣「この時期にインフルだぁ？」
北人「おなじこといってるね」
壱馬「なかよし？」
岩田「二ヶ月前までほとんど会話無かったのにね」
クリスマス。
最近はよく入り浸っている岩田は、両膝に壱馬と北人を乗せて
電話中の二人を三人で見守っていた。
北人「がんちゃん」
岩田「ん？」
北人「ふたり、おしごと？」
岩田「本当は辞めたんだけどね。
どうしても出て欲しいんだってさ」
壱馬「おしごと、いってきていいのに」
岩田「二人にとっては仕事よりも、壱馬と北人と一緒がいいって」
壱馬「おしごとしてるところ、みてみたいな」
岩田「んー……それはちょっと無理かなぁ」
北人「なんで？」
岩田「なんで？……なんでだろう。
夜遅いからかな」
『託児所？』
広臣「託児所？」
『んなの間に合ってます！』
広臣「んなの間に合ってるわ！」
北人「ふふっ」
壱馬「ふっ」
岩田「間に合ってるって。
俺のこと？」
子供たちの笑顔を見た岩田は、目の前でキレてる二人を見る。
岩田(俺も、この子たちも、あなたたちに助けられた。
そろそろ、あなたたちだって……)
岩田は思わず二人のお腹に回している手に力を込めた。
その事に気づいた壱馬と北人が岩田を見上げる。
壱馬「ん……？」
北人「がんちゃん？」
岩田「壱馬、北人。
いつかでいいから、二人が、臣さんとAさんを助けてあげて」
壱馬「……」
北人「……」
岩田「昔から、自分のことは話してくれない二人だから」
岩田は未だに切れそうにない電話対応をしている二人を見つめた。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
