35 ページ35
目的の駅に着いて、実際に壱馬は体調が落ち着いた。
広臣「大丈夫そうか？」
壱馬「ん」
『良かったね、壱馬。
北人も』
北人「うん！」
仲良しな二人は手を繋いで歩いてて。
今は広臣、壱馬、北人、今市で並んで手を繋いでおり、
その後ろを歩いている岩田はニヤつきながら写真を撮っている。
岩田「俺が育てたい」
萩花「あんたが育てたらダメでしょ……」
『ズボラに育ちそうだからやめて……』
岩田「酷いな」
女子二人に言われた岩田は笑っている。
広臣「ほら、せーので飛ぶぞ」
「「せーの！」」
「「ぴょーん！」」
萩花「今の動画撮ってた？」
岩田「抜かり無し」
『お兄ちゃんに遊んでもらえて嬉しそうね……』
Aが一番後ろで苦笑いしていて。
北人「たのしいね！」
壱馬「ん！」
幼少期、自分たちが経験できなかったことを、
あの子たちは経験している。
そう思うだけで、Aの胸は幸せだった。
『良かったね、北人、壱馬』
岩田「……」
萩花「……」
Aの呟きが聞こえた岩田と萩花は、胸が痛んだ。
誰にだってある愛される権利。
萩花「あの子たちが、愛してくれるよな……」
岩田「うん。
二人が、あの子たちを愛してるように」
岩田「今の俺は、二人が居なかったら笑えてなかった」
萩花「うん……」
岩田「信じようよ」
この時、岩田の脳裏には、
病院のベッドで目を覚ましたあの時が流れていた。
･
･
･
『剛典、良かった……目が覚めて』
広臣「お前っ、どんだけ俺らが心配したと思って！」
起きて一発目は、広臣の説教だった。
だが、その日感じたAの温もりは本物だった。
広臣「無事に目を覚ましてよかった」
ようやく自由に動けるようになった岩田を強く抱きしめる広臣。
その温もりを感じて岩田は忘れていた涙を思い出した気がする。
･
･
･
岩田(北人、壱馬、頑張って生きてね)
岩田(きっと、大丈夫だから)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
