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帰宅して二時間もしない内に、壱馬と北人が眠った。
その間に広臣は仕事に出かけて、Aは夕食の準備を済ませた。
『……他人の家族、か』
誰一人血の繋がりが無い兄弟。
広臣とAに兄も姉も弟も妹も無い。
なぜなら生年月日が同じということ。
対して壱馬と北人は、一月生まれの壱馬と三月生まれの北人。
兄弟よりは友達や親友、相棒に見える。
血の繋がりが全てじゃないのは、後輩の岩田を見ていれば分かる。
･
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ふと、血塗れの彼が脳裏に過ぎる。
『岩田くん！！』
広臣「岩田！！目ぇ覚ませ！！」
今市「岩ちゃん！！」
中学時代、学校の屋上から飛び降りた岩田。
理由は、両親からの圧力。
岩田「臣さん、Aさん、おれ……もうがんばれないよ……」
広臣「待て岩田！！」
今市「岩ちゃんっ、それ以上はっ！！」
岩田「……ふっ」
中学の屋上から飛び降りた岩田に手を伸ばす広臣と今市。
佇むA。
それから、
地面に落ちる音と、たくさんの悲鳴。
･
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･
『北人、北人は、何を思ったの？』
『壱馬、壱馬は、どう感じたの？』
親を知らない子供が、親を知っている子供を育てる。
まだ17歳のAと広臣は、
ほんの数日の間で起こった出来事に、
気持ちが追いつかない。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
