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初対面の岩田に壱馬は固まった。





北人は誰だろうと首を傾げる。





Aは頭を抱えていて、





岩田はにこやかと自己紹介し出す。





岩田「はじめまして!俺は岩田剛典!

3月6日生まれのうお座で、好きなことはダンス!

高校でもダンス部に入ってるよ!

ちなみにAさんと臣さんがとーっても大好き!

だから二人が大好きな二人も見たくて、やって来ました!」





まさかのマシンガントークに壱馬も北人もついていけない。





『あんた、何気に緊張してんのね』


岩田「え?」


『……いや、何でもない』





岩田の自己紹介を聞いていた北人はパッと顔を上げた。





北人「おにいちゃん、たんじょうび、いっしょだね!」


岩田「お、3月6日!?」


北人「ほくも、3月6日だよ!」


岩田「ほくくん、っていうの?」


北人「あ、ほくは、よしのほくと!

こっちは、かわむらかずま!

ぼくらはね、なかよし!!」





北人は満面の笑みで、壱馬に「ねー」と笑いかけている。





壱馬は人見知りで黙り込んでいるのだが。





北人「おにいちゃんは、えーっと」


岩田「俺のことは、がんちゃんでいいよ」


北人「……がんちゃん?」


岩田「大好きな広臣お兄ちゃんにそう呼ばれてるから」


北人「わかった!」





コミュニケーション能力が高い者同士、二人はすぐ仲良くなって、





手を繋いで歩き出そうとする。





岩田「あ、先輩荷物持ちますよ」


『いや、どさくさに紛れて誘拐すんな』


岩田「人聞き悪いな〜」





ニヤニヤしながら岩田はAの腕にある荷物を持つと、





壱馬に視線を向けた。





岩田「俺が北人くんと歩いてるから。

話聞いてあげてください」


壱馬「……」


岩田「きっと、伝えたいこと、沢山あるはずだから。

ゆっくり、ゆっくりと」





しみじみ言う岩田に、Aは何も言えなかった。





岩田の過去、家庭環境を知っていると、何も言葉が出ない。





けど同情はしない。





それは、彼が一番嫌っている事だから。





『ありがとう』


岩田「壱馬くん、待ってるね!」





憎めない笑顔を浮かべて北人と歩き出した岩田。





その背中を見たAは、壱馬の目線にしゃがみ、話し出した。





『お話しながら、お兄ちゃん待ってよ?』





『大丈夫』





『お兄ちゃんは絶対、帰ってくるから』


壱馬「……ん」





Aの真っ直ぐな目に、ようやく壱馬が頷いた。

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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです! (10月9日 20時) (レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです!! (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪乃 | 作成日時:2023年8月18日 12時

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