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『川村壱馬と吉野北人のお迎えです』
先生「すぐ連れてきますね」
放課後、Aは広臣に役員の仕事を押し付けて………。
頼み込んで幼稚園にやって来た。
北人「おねえちゃん！」
壱馬「っ！」
二人が同時に飛び付いた。
五歳児は思ったより元気である。
壱馬「…………」
北人「お、おねえちゃん、あのね、かずまね」
壱馬「…………」
『北人、お話は後で聞くから、今は先生にバイバイしよう。
ほら、壱馬も』
北人は笑顔でバイバイと手を振るのだが、壱馬は出来そうにない。
先生「ゆっくりやって行けたら良いからね」
先生「それからお姉さん」
『はい？』
先生「明日から、出張終わった本来の担任の先生が帰ってきます。
男性なのですが、この園で最も信頼を得ている方が見てくれるので」
『……分かりました』
会話の内容を分かっているのか、壱馬がギュッとしがみついた。
Aはそんな壱馬の背中を撫でて、北人の頭を撫でて立ち上がる。
『失礼します』
先生「また明日〜」
行こっか、と三人で手をつなぎながら、家路を歩く。
『幼稚園、どうだった？』
北人「べつのせんせーとべつのおへやでねたよ」
『そうなの？』
北人「かずまね、ごはんたべれなくて……」
壱馬「ほく、いわないで」
『じゃあ壱馬お腹すいてない？』
壱馬「……」
『今日、広臣お兄ちゃん、帰って来ないからさ』
壱馬「ぇ……」
泣きそうな表情で壱馬が顔を上げた。
その足は止まってて。
壱馬「っ、やぁ！」
『……お兄ちゃんが帰って来ないのが嫌なの？』
壱馬「んっ！」
『かーずーまー、ここで止まっても会えないよ』
壱馬「おにいちゃんのとこ、いく、いきたい」
北人「かずま、かえろ？」
昨日とは完全に逆である。
どうしようかと考えてた時だ。
「あれ、先輩じゃん。
弟たちも一緒？」
『げっ』
壱馬「っ！」
北人「だれ？」
「めーっちゃかわいい！まさか、こんなすぐ会えるとは！」
さっきまで愚図ってた壱馬は黙り込み、北人は首を傾げる。
その光景に声をかけた彼は二人の目線に合わせるようにしゃがんで笑いかける。
「俺は岩田剛典！
よろしくね」
『あんた、待ち伏せしてたな』
人懐っこい笑顔に、Aは呆れを隠さなかった。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
