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『おはようございます、お疲れ様です』
とある街のとあるクラブ。
そこに現れたAに、ボーイやキャストたちが挨拶する。
Aはそれを笑顔で返して、事務所にやって来た。
そこには取締役が居て。
『お待たせしました、黒木さん』
黒木「まさか、お前が呼び出すとはな」
黒木啓司。
Aと広臣が務めているクラブ系列の代表取締役会長。
黒木「で、なんだよ。
辞める理由って」
『一言で言えば子育てですね』
黒木「いつの間に倅できてんだ？」
『母の甥たちですよ。
その子たちの両親が不慮の事故に遭ったので』
Aは堂々と向かい合う。
高校一年から務めたこのクラブで、堂々1位を背負ってる肝は伊達じゃない。
黒木「お前が未成年、高校生って言うことも知っててやってたんだが？」
『それに関しては感謝してますよ。
ただ、今はあの子たちと過ごす時間が欲しいだけです』
黒木「分かった。
それが理由なら仕方がねぇ」
元より物分りの良い人だとAは思っていた。
それは当たっていたようで、あっさりと認める。
黒木「お前も臣もまだガキだっつーのに死んだ顔してた。
けど、今のお前は生きる理由を見つけたみたいだな」
『生きる、理由……？』
黒木「前向けよ、A。
今のお前には守るもんも、生きる理由もできたんだろ」
『……まぁ』
黒木「なら、堂々と胸張って、あいつらの親ですって名乗れ。
今のガキ共にはお前らしか甘えられる相手が居ねぇんだから」
その言葉を聞いてAは肩の力を抜いて頷いた。
『お世話になりました、会長』
黒木「臣も辞めるって連絡来てたぞ」
『まぁ、そうだと思いますよ。
何やかんやで彼もあの子たちを可愛がってます』
黒木「時間がある時でいいから顔だけ見せろよ。
お前らガキも揃って」
『ぜひ』
Aは立ち上がると、自分のネームプレートを下げた。
『また機会があれば、よろしくお願いします』
黒木「一生来るかバーカ」
二人は笑い合うと、そこを離れた。
『広臣、今から帰る。
何か買ってこようか？』
広臣【要らねぇから早く帰ってこい。
北人、まだシクシクしてるぞ】
『急いで帰る』
帰宅がこんなにも楽しみになったのは、初めてだ。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
