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食事とお風呂を終えた後、Aは軽く化粧をして服装を整えた。
その光景に動いたのはテレビを見てたはずの北人で。
北斗「おねえちゃん、どこいくの？」
『ちょっとお仕事に行ってくる。
すぐ帰ってくるよ』
北人「おそと、まっくらだよ？」
『そうだね、けど大丈夫。
広臣お兄ちゃんと壱馬と待ってて』
北人「やだ、やだ、ほくもいく！」
ここまで愚図ったのは初めてだ。
北人「おばさんが、いってたんだよ？」
『なにを？』
北人「このおうちで、がまんしなくてもいいって」
そう言って北人はAを見上げていて、その頬には涙があった。
両親と突然の死別から二週間。
泣いてるところを見た事ないと言われた北人が、初めて泣いた。
北人「ねぇ、やだ、いっちゃやだ！」
広臣「北人、お姉ちゃんどうしても今日行かないとダメなんだ。
お兄ちゃんと壱馬とここで待っていよう？」
北人「いやだ！おねえちゃん！いやだよ〜！
うわぁぁぁぁん！」
壱馬「ほくと、なかないで」
北人は大声で泣き出した。
広臣「A、俺が北人抱っこしとくから、その間に行け」
『お願い』
壱馬「え」
『ごめん、行ってきます』
Aが玄関を出ると、壱馬も不安げに広臣を見上げる。
だが、その広臣の腕の中では北人が大暴れだった。
北人「やぁだぁぁ！ばいばいしない〜！！
おねえちゃぁぁん！！」
広臣「ほーくーとー、お姉ちゃん今日はすぐ帰ってくるから」
北人「やーだー！！」
泣きじゃくる北人をあやしてると、壱馬も泣きそうになりながら北人を見る。
壱馬「ほくと、なかないで……」
広臣「ほら、北人、壱馬もそう言ってくれてるから」
広臣は慣れない子育てでも、酔っ払った客よりマシだと考える。
少しずつ落ち着きを見せた北人の背中を撫で続けること三十分。
広臣「落ち着いたか？」
北人「っ、っ、ひっく」
広臣「よし、壱馬、北人、一緒に水飲もう」
北人を壱馬の隣に下ろすと、北人は壱馬に抱きつく。
しくしくとしながらも、広臣を見つめる二人が可愛らしく、
広臣は思わず写真を撮った。
広臣「昔の俺も、こうだったのかな」
子供たちが水を飲んでる姿を見て、寂しげな目を見せた。
だがその表情を見た者は誰も居ない。
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りこ(プロフ) - お疲れ様でした。まじでこのお話好きすぎて終わりが悲しく感じます。とても良いお話に出会えて良かったです！ (10月9日 20時) (
レス) @page50 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - なんかもう全てが尊く感じる、、、このお話大好きです！！ (10月5日 1時) (レス) @page46 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年8月18日 12時
