リアル不仲のWエース5【THE RAMPAGE】

＊▽ ページ41

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カメラが回ってないのを良いことに
私からアイツに近づくこともしないけれど、



ただ、アイツは違った。







「なぁA」




『あーっ、ごめん、ちょっとお手洗い漏れそうだから！』




「ちょっ、おい！」





北人「か〜わいそう。
めちゃくちゃ避けられてんじゃん」



「ったく、なんやねんアイツ」



北人「なんかしたの？」



「した覚えは無いんやけどな……」







私は用も無いお手洗いにこもって、
朝よりも倦怠感が増したように感じる体を
良い具体に冷えてるドアに預けた。







『はぁぁぁ気持ちいい』







申し訳ないことをしている自覚はある。


けど、いくら夢だとしても、
なぜか怖く感じてしまうのが悩み。







『行くか……』







今日のリハーサルは多分、
いや、絶対にだいぶハードになるのは分かってる。




先が思いやられたまま、私はリハ室に向かった。







彰吾「で、Aと壱馬がペアで踊ると、
横から陸さんと北人が寄ってくる感じで」




陸「はーい」




北人「了解」







彰吾さんを中心に新しい曲の振り入れ。



スタジオに響く音が頭でも響いて、
キャップとフードとマスクで顔を隠してるのを良いことに
盛大に顔を歪ませていた。







彰吾「それじゃここの振りじゃけど、
1番が良い人……5人くらい」





彰吾「2番、4人」





彰吾「3番、4人」





彰吾「じゃあAとスリボで4番な」





壱馬「うっす」



陸「了解〜」



北人「は〜い」



『あいさ』




彰吾「振りでわかんないことあれば、
Aに聞けば大丈夫なんで」




『雑かよ』







私はそう思いながら、動画で送られてた振りを思い返す。



ちゃんと想像できるから大丈夫だなと思いながら
私は痛む頭を動かして三人に振りを教えていく。







壱馬「なぁ、ここでええんやろ？」






"「もうええよな？」"





『っ！』




北人「A！」



陸「大丈夫！？」



壱馬「ちょ……」




『さわんないで！！』







壱馬の言葉が、夢の中での言葉とリンクして、
倒れ込んでしまった挙句、


壱馬の手を叩き落とした。







北人「A……？」



陸「どうしたの、Aちゃん」



壱馬「……ごめん」




『っごめん、壱馬。
怪我とか……』



壱馬「何も無いよ」







夢の中での壱馬と、現実の壱馬。



違うのは分かってるんだけれど、
どうしても、怖かったんだ。

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