リアル不仲のWエース5【THE RAMPAGE】

＊▽ ページ36

翔吾が詰めてる感じだったけど、
この時は誰も大事になるなんて思ってなくて。




Aの怪我云々ってよりも、
二人の関係が。







翔吾「なぁ、怪我隠して踊れんくなるより、
しっかり治して今後に活かそうや」




『怪我してないって。
次踊る時には修正する、しっかりと』




翔吾「……ホンマに言うたな」




力矢「怪我してないんだよね？」




『してないですって。
だから、大丈夫です』




海青「無理しないでくださいね。
キツかったら言ってください」




『ちぇいもありがとう。
けど大丈夫だから、ね？』




海青「……はい」







この時の頑固なAに、誰も何も言えなかった。



それから全員で合わせる時に事が起こった。








『っ』




翔平「ちょ、Aさん！」




彰吾「曲止めてください！！」







速いステップで移動の時に、Aがしゃがみこんだ。



かと思えばすぐ倒れて、近くにいた翔平が駆け寄ってた。



俺らは何事か分からないまま見るしかなくて、
端っこに居たはずの翔吾が近寄って来た。







翔吾「もう隠すの無理やろA」




『……』




翔吾「曲止めて、誰かの練習止めてまで、
今の自分を貫き通すん？」




『それに関しては、謝る。
けど、』




翔吾「言い訳すんなや！！
自分本気で分かっとるんか、時間無いんやで」




『分かってるよそれくらい！
けど、初めてのツアーで、こんなので休めるわけないじゃん！！』




翔吾「こんなのって、やっぱり症状は合ったんか」




『最初は違和感くらいだった。
一昨日くらいからおかしいなって思った。
けど、今日のリハの途中から痛みが出てきて……』




陣「何でそれ言わんのや」


力矢「陣、ちょっと待って」


陣「……」




翔吾「そんなんやったら、最初から無理せんでも」




『無理しないとやっていけないの分かるでしょ！
私は、みんなと違うの！』




翔吾「なんやそれ」




『みんなは、男性グループにいて当たり前。
けど私は、違う。まだ受け入れられてない存在なの。
こんなので休んでる暇なんて無い』




翔吾「こんなのって。
そんなんAの大事な体やろ！？」




『私にとっては！
体も大事だけど、グループだって大事なの！！
だから自分の体がどうなろうが、これからって時に』




翔吾「何言うてんの！？
グループが大事ならまず自分大事にせな、何も始まらんやん！！」








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