８ ページ10
エイド「彼はね、本当にキミとそっくりだったよ。
まぁ、硬度は俺や、フォスより高い７半。
何をやっても失敗ばかり。
いつも怒鳴り声が聞こえてたね。」
懐かしみながら、ひとつひとつ、思い出しながら、エイドは言葉を紡いでいった。
エイド「俺はそれ以前から戦闘要員として、一人で戦っていたんだ。
あの頃は、今みたいな性格じゃなかった。
本当に、それこそ、弟なんてって思ってたくらいだ。」
フォスは、そんなエイドを想像出来なかった。
フォスが今まで見てきたエイドは、いつも微笑んでいて、誰かといて、弟が好きで、自分たちもエイドのことが好きなのだ。
エイド「そこに、グランディエディライト、グランデがペアになった。」
ルチル「それは、私も覚えています。
グランデは、一生懸命兄様の跡をついて行ってましたね。
何も出来なかったグランデは、兄様の戦闘技能を盗んだのです。」
初めは、グランデが金剛へ報告しに行き、その間にエイドが月人を蹴散らしていた。
エイド「だけど、彼はそれを拒み始めた。
「自分にもできることは無いか」と、毎日のように言っていた。
．．．けど、俺は彼に、「何も出来ないのがお前なのだろう」と、言ってしまってね。
それっきりだ。」
エイドにそう言われたあと、学校を飛び出し、そのまま月人に攫われてしまったらしい。
エイド「駆け付けた時には遅かった。
残っていたのは、彼の右腕だけ。
．．．俺が、あんなことを言わなかったら、グランデは助かっていたのだけれどね。」
そう言うと、四人に背を向け、去っていった。
ルチル「．．．兄様は、その時のことをいつまでも後悔をしていました。
．．．最初の五十年ほど、兄様はずっと戦っていました。
「あいつが戻ってくるなら」、と。
兄様も、狙われやすいのですよ。
いつもぼろぼろで帰ってきて、寝ている間しか治すことが出来なかった。
そこにフォス、あなたが産まれたのですよ。」
多少の違いはあるものの、好奇心、不器用、そして、薄荷色．．．
ゴーシェ「兄さん、苦しんでたんだ。
ひとりで居ることは無くなって、誰かといて。
「フォスと、グランデを重ねてしまう」
ずっと、そう言ってたんだ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨と無知@雨100％ | 作成日時：2018年2月19日 2時
