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フォス「...そう言えば、兄さんは?」
ぼーっとルチルの治療見ていたフォスが、ふと問い掛ける
ルチル「おや、兄様が帰っていないのですか?」
モルガ「俺たちと帰ってきた訳じゃないよな...」
ゴーシェ「多分、最後に見たのは先生じゃないかな。」
誰も、目撃していない。
フォス「...連れ、去られたりとかしてないかな...」
ルチル「、何を言いますか。
強いのですよ、兄様は。」
モルガ「だけど...」
ゴーシェ「モルガ、」
何かを言おうとしたモルガを、ゴーシェが止める。
ルチル「...そう言えば、もうすぐで五百年ですね...
あの人が連れ去られて。」
どこか遠く、暗くなり始めた空を見ながら、ルチルは言った。
フォス「あの人...って?」
モルガ「あぁ、お前が来る二百年前の事か。」
ゴーシェ「...これ、言っていい事なのかな。」
ルチル「...兄様にパートナーが居ないことはご存知でしょう?」
フォス「え、う、うん。
兄さん、ずっと一人でいる、よね」
モルガ「俺達が生まれた時、兄さんにパートナーはいたんだ。」
居た、という言い方に引っかかるフォス。
フォス「なら、なんで...」
ゴーシェ「...さっきも、言ったけど、連れ去られたんだよ。
月人に。」
それが、約五百年前。
と、ルチルが続けた。
「キミと同じ色をしていたよ。フォス。」
後ろから聞こえた、あの人の声。
四人「兄さん/兄様」
エイド「...俺のパートナーか。
もう五百年になるんだね」
腕を組み、橙と紫の混ざった空を見上げた。
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作者名:雨と無知@雨100% | 作成日時:2018年2月19日 2時