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〈 管理人コード、バーコードを提示してください 〉
『管理人コード、system2434、鳥籠番号57、Aです』
〈 管理人コード、番号、名前の一致を確認 〉
〈 ゲートが開きます 〉
ガコン、と音を立てて、《祝福の神父》が収容されている部屋の扉が開く。
管理人は基本、管理するあがりびと様を自分で選ぶことは出来ない。
監修の人間が、誰をどこに配置するべきかを判断し、そして采配を下している。
だから、特に問題行動等が見受けられなかった場合、基本は同じあがりびと様に着くことが多く、《祝福の神父》が安定して恵みを授けてくださるようになるまで、わたしが管理を任されることになった。
約一週間、《祝福の神父》の管理を続けたが、特に変わったことも無く、この様子だと安定するだろう。
いつものステンドグラス、《祝福の神父》が祈りを捧げている偶像。
いつもと変わらない光景。
ただ、一点を除いて。
《 ……、 》
《祝福の神父》が、祈りを捧げておらず、わたしのことを見つめていた。
敵対心はなく、わたしと高さを合わせるかのように正座して、わたしを見つめていた。
わたしは焦りを表に出さないように、いつも座る場所に腰掛けた。
いつものように、なにも変えないように。
《 いつも熱心に祈りを捧げてくれてありがとう 》
頭に直接響くような声に、冷や汗が背中を伝う感覚がした。
どう答える?いや、きっと答えちゃダメだ。
いつものように、祈りを捧げて、
《 ロト、君もありがとう 》
にゃう、と聞きなれた鳴き声に、思わず顔を上げてしまった。
いつもわたしの肩にいた黒猫が、《祝福の神父》の元へ駆けていく。
ロト、確かにその名前はあの子の首輪のタグにあって、わたしもその名前を呼んでいた。
《 ……ふふ、そっか、Aっていうんだね 》
ぞわり、と、嫌な予感のようなものが体の芯を駆ける。
ロトは、パーティクルなんて優しいものではなかった?
最初から警戒すべき存在だったのかもしれないが、今となっては、もう全てが遅い。
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うい〜 - いやぁ〜....良過ぎやしませんか...これゲーム化してほしいぃぃぃぃぃぃぃぃわいにその技術があったら絶対にゲーム化させていただいてる....うぉぉぉぉぉぉ...(???) (1月14日 22時) (レス) id: 1925796cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - ロボトミー系好きなので、こういったお話が出てきてくれて嬉しいです!!次も楽しみにしてます! (1月9日 19時) (レス) id: be2d7a665f (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - わぁぁぁ!お帰りなさい!待ってました!我儘…そしてあつかましいのですがこれからも少しずつ無理なく更新お願いします! (1月8日 4時) (レス) id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とんでもなく新しくて面白くて唯一無二なので続き待ってます…🙏 (12月2日 10時) (レス) @page28 id: dc26147933 (このIDを非表示/違反報告)
ミントチョコ(プロフ) - とても面白いです!!1つ質問なのですがkneは名前を呼ぶことを許したのでしょうか? (11月26日 19時) (レス) @page28 id: ec1b04765c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:新社界人 | 作成日時:2023年7月31日 19時