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ページ15

「これな、姫に引っぱたかれて、そのまま爪で引っかかれたんよ」



うっそりと目を細め、そう話し始める《孤独なワイングラス》

その瞳は、どこか、希望とか、期待に濡れていて、何かを求めている、そんな瞳。



「姫、姫にな、嫉妬して欲しくて、俺に、汚い欲を、見せて欲しくてな、ほかの姫引っ掛けて、意識して欲しくてな」



わたしの手を取り、優しく包みながら、恋情に燃やした瞳で、わたしを射止める。

その瞳は、よく見なくても、よく考えなくても、異常性しかなくて、それなのに、わたしは呑気にもその瞳を綺麗だな、なんて思う。



「なぁ、姫、A、Aちゃん、俺の名前呼んで」


『…な、まえ……』


「そう、不破湊、おれの名前」



不破湊……湊。

求められているのなら、呼びたい、けど。



《 肉体が砕けるんだ 》



叶のその言葉が嫌に反芻する。

…大丈夫、落ち着いて…。

わたしだって、名前で呼びたくない訳じゃない。

それにきっと、湊も、あがりびと様の名前を呼んだ人間がどうなるかなんて、きっとわかってる。

……なら、



『……なら、…ならばどうか、わたしに許しをくださいませ』
『あなたの名前を呼ぶ許しを、わたしに』



きゅ、と大きな湊の手を握り返し、真っ直ぐに見つめる。

これでダメなら、もうどうにでもなれ。



「……はは、…知ってた?」


『…少し前に初めて』


「そっかァ…無知なAもかわえぇけど、賢いAはもっとかわいい」
「…えぇよ、A。その声で、その音で、俺の名前を呼んで」



湊のその言葉で、体にしがみついていたような重圧が消えた。

……これが、許しを乞うということか。



『……ありがとうございます、湊』


「わ、姫ってめちゃくちゃ大胆なカンジ?」


『…大胆……なんですかね』


「いきなり下の名前は大胆っすわ」



大胆と言われても、友達だって少ないし、その少ない友達もいなくなった。

男の人との仲良くなり方なんて知らないんだもん。





【Cage 2】
《孤独なワイングラス》


神名 不破湊

閑話休題→←.



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うい〜 - いやぁ〜....良過ぎやしませんか...これゲーム化してほしいぃぃぃぃぃぃぃぃわいにその技術があったら絶対にゲーム化させていただいてる....うぉぉぉぉぉぉ...(???) (1月14日 22時) (レス) id: 1925796cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - ロボトミー系好きなので、こういったお話が出てきてくれて嬉しいです!!次も楽しみにしてます! (1月9日 19時) (レス) id: be2d7a665f (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - わぁぁぁ!お帰りなさい!待ってました!我儘…そしてあつかましいのですがこれからも少しずつ無理なく更新お願いします! (1月8日 4時) (レス) id: 19e2b6cddc (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とんでもなく新しくて面白くて唯一無二なので続き待ってます…🙏 (12月2日 10時) (レス) @page28 id: dc26147933 (このIDを非表示/違反報告)
ミントチョコ(プロフ) - とても面白いです!!1つ質問なのですがkneは名前を呼ぶことを許したのでしょうか? (11月26日 19時) (レス) @page28 id: ec1b04765c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:新社界人 | 作成日時:2023年7月31日 19時

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