プロローグ ページ2
俺がここに来てから、もう大体三年が経った。
こっちの言葉はだいたい話せるようになったし、読み書きも出来る。
このお城と、街の地図も頭に入ってる。
つまりは、ここで暮らしていく上での最低限の知識は備わっているということ。
「A、またここにいたのか」
ぽかぽかと陽の当たる、ひとらんが教えてくれた取っておきの場所で本を読んでいれば、ぐるさんに見つかった。
いつものキリッとつり上がっている眉は優しげにカーブを描いていて、汚れひとつない真っ白な手袋をはめた手で頬を撫でられる。
「またオプロイテとスパルタクスの所から逃げ出しただろう。
慌てながら探してたぞ」
「…ふたりとも、かほご、」
オプロイテはまんちゃんのところの、スパルタクスはこねのところのそれぞれ隊長補佐。
2人とも俺の教育係みたいな感じで護身術とか読心術とか教えてくれるんだけど、腫れ物に触る、と言うより、孫と触れ合っているような過保護さがある。
嫌って訳じゃないんだけど、俺も子供じゃないし。
「勉強は進んでいるか？
エーミールもたまに熱が入るからな。分からないところがあれば来ればいい。」
「うん。
えみさん、おしえかたじょーずだよ」
知識系統は全部えみさんに教えて貰っている。
なんでも、軍人になる前は大学教授として教鞭を持っていたようで、教えて貰ったことがすんなりと頭に入る。
「…なぁ、A」
「なぁに」
「ここへ来て良かったと思えるか？」
「…うん。
みんな、やさしい、し、たのしいよ」
少しだけ上手くなった笑みを見せてそう言えば、ぐるさんは安心したように俺の頭を撫でる。
胸の奥でざわりとした嫌な予感を振り払うように目を細め、軽くその手に擦り寄った。
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onigiri710(プロフ) - 初コメ失礼します。とてもはまってしまいました！更新楽しみにしています (2020年4月13日 23時) (
レス) id: da17dc294d (このIDを非表示/違反報告)
みのむし(プロフ) - ゾムニキとトンさん可愛すぎる………………………というか夢主君がかわいいいいいい…………………………(悶)更新頑張って下さい、応援してます！！！(食い気味) (2020年3月28日 16時) (レス) id: 9db9e97208 (このIDを非表示/違反報告)
TARAKO - この小説にどっぷりハマりました！これからも更新頑張ってください!! (2020年3月21日 1時) (レス) id: 75c31c63dd (このIDを非表示/違反報告)
ひよ子 - この小説めっちゃ面白いです！これからも更新頑張ってください(*´∀｀*) (2020年3月8日 4時) (レス) id: ad4aa31054 (このIDを非表示/違反報告)
みらばる - 神作とは、まさにこの事 (2020年3月1日 1時) (レス) id: 318f7c41d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨と無知@雨100％ | 作成日時：2020年2月18日 21時
