何故に ページ19
それにしても、どうしたものか。
恐らく、ここには俺の知り合い、及び信頼出来る人はいないと考えた方が妥当だ。
先程の演説がグルッペンのものだとしても、俺のことを知っているとは限らない。
．．．それに、ここにいるあいつらはきっと“俺の弟”ではないだろう。
帰る方法すらあるのかも分からないな．．．
来た道を戻れば帰れるものなのか？
でも、そんな簡単に行くものなのか．．．
ふと、後ろから気配がした。
パッ、と振り向いてみても、誰もいない。
気の所為．．．？いや、そんなはずない。
思わず、身構える。
当たり前だ。得体の知れない場所で死ぬなんてまっぴらだ。
何分もそうしていたかもしれないし、もしかしたら一瞬だったかもしれない。
取り敢えず、どちらも動かないという状態が続いた。
「なんや、自分えらい隙ないねんな。」
ガサッと言う音を立て、上から落ちてきた緑の塊。
驚いてよく見てみると、緑のパーカーで、フードを深くまで被った男性のようだった。
．．．そのパーカーには、見覚えがあった。
「自分、どこの奴なん？
見かけん奴やけど．．．」
随分と警戒心が強いようだ。
．．．そう言えば、彼もそうだったな。
Sz「．．．信じては、貰えないかもしれませんが、気付いたらここに居ました。」
嘘は言ってない。
全て本当の事だ。
彼が、どう取るかによるけど．．．
「．．．見た限り嘘は吐いてへんな．．．
まぁ、ええわ。
僕ゾム言います。自分はなんて言うん？」
やはり、ゾムだったか。
そして俺の名前を聞くということは、やはりここに俺は存在しないのか。
Sz「．．．スズモリです。
ゾム、さん。
貴方こそ、何故俺を？」
やりづらい。とてもやりづらい。
弟だったはずのゾム相手に敬語は辛い。
でも、見た限り成人してるんだよな．．．
というか、かなりの数の武器を隠し持ってる。
物騒。
Zm「んー？
ただスズモリ見つけて監視しとっただけやで？まさかバレるとは思ってなかったけどな。」
ゾムが近付いて分かったけど、やはりでかいな。
恐らく俺と大差ない。
ゾムの方が大きいかもな．．．
Zm「お前、気付いたらここにおったんやろ？
ここに来る前の記憶とかあんの？」
Sz「一、応は．．．
どうやって帰るのかは検討も付きませんが。」
本当にどうしよう。
異世界ネタにしようかと思ったけど本持ってないしゲームもまだ分かってない。→←．．．ん？
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作者名：雨と無知@雨100％ | 作成日時：2018年4月4日 23時
