8話 「才能(4)」 ページ8
そこから怒りに理性を呑まれた鷹岡が立ち上がった。
が、渚にこっ酷く否定されて、出て行ってくださいとハッキリ頭を下げられた瞬間、渚を殴ろうとした。
だがそこで烏間が今度は鷹岡を仕留めた。
烏間「身内が迷惑をかけて済まなかった。
後のことは心配するな、今まで通り俺が教官を務められるよう上と交渉する」
「「烏間先生！」」
鷹岡「そんなことさせるか！俺が先に上に掛け合って」
これから、と言う時にAは思いがけない人物を見て顔を顰めな。
「交渉の必要はありません」
烏間「理事長……！」
そう言って登場したのは椚ヶ丘中学校の理事長・浅野學峯だった。
學峯「新任教師の手腕に興味がありまして、全て拝見させて頂きました」
そう言って學峯は鷹岡の顔を掴み、
學峯「鷹岡先生、あなたの授業はつまらなかった。
教育に恐怖は必要です、が、暴力でしか恐怖を与えることができないなら、その教師は三流以下だ」
そう語る學峯はまさに学園の王者。
Aは見ていて頭痛がするほど、この人のオーラは嫌いだった。
A(早く、早く、早く、早く居なくなれよ)
學峯「解雇通知です」
Aが顔を歪ませている間に、學峯は鷹岡の口に解雇通知を押し込んでいた。
確かに暴力と洗脳的な教育方針なら、後者が勝つだろう。それは、カリスマがあればあるほど。
學峯は満足すると手を拭きながら立ち上がって、話し出す。
學峯「ここの教師の任命権は、あなた方防衛省には無い。
全て私の支配下だと言うことをお忘れなく」
そう宣言する姿は、本当に王者だ。
その姿にAは吐き気を催しながら、鷹岡の解雇に喜ぶ生徒たちを見た。
A(何とか、なったね)
渚の才能は、これからだ。
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作者名：塩こんぶ | 作成日時：2022年11月2日 16時
