7話 「才能(3)」 ページ7
烏間「渚くん、できるか？」
その瞬間、A以外全員が驚いた。
杉野「な、なんで渚！？」
烏間「俺は、地球を救う暗殺任務を依頼した側として君たちとはプロ同士だと思っている。
プロとして君たちに支払うべき最低限の報酬は、当たり前の中学生活を保証することだと思っている。
だからこのナイフは無理に受け取る必要は無い」
渚「……」
烏間「その時は俺が鷹岡に頼んで、報酬を維持してもらうよう努力する」
渚は烏間の手元のナイフと、真っ直ぐな瞳を見つめながら考え込んだ。
渚(僕はこの人の目が好きだ。
こんなに真っ直ぐ目を見て話してくれる人は家族にも居ない。
立場上、僕らに隠し事も沢山あるんだろう。
なんで僕を選んだのかも分からない。けど、)
渚は烏間の手元のナイフを受け取った。
その瞬間、他の生徒たちも驚き、烏間も驚いた。
渚(この人の渡すナイフなら信頼できる。
それに、神崎さんと前原くんのこと、許せない)
渚「やります」
そう言って渚はナイフを口に咥えると、軽く柔軟をしながら鷹岡と向き合う。
だが、鷹岡は小柄な渚を選んだことを馬鹿にする。
それらを無視して二人は何かを話していた。
Aはこれから行われる戦いを見物しようと腕を組んだまま渚の背中を見ていた。
A(E組の運命は、潮田さんの背中に託された)
これから勝負が始まる。
渚(僕は、本物のナイフを手に、どう動けばいいのか少し迷って、烏間先生のアドバイスを思い出した。)
――相手はプロで、こっちは暗殺。ナイフを当てればいい。
その一言で渚は少し気持ちに余裕が出来た。
渚(そうだ、勝たなくていい。
――殺せば勝ちなんだ)
その瞬間、渚は笑って歩き出した。
その時、Aは目を見開く。
A(やっぱりあなたは)
渚(正面からだったら防がれるから、背後に回って確実に)
結果、
渚「捕まえた」
渚が勝った。
だが、その事にその場に居る者は信じられないように渚を見る。
渚「あれ、峰打ちじゃダメなんだっけ」
殺せんせー「そこまで」
そう言って殺せんせーは渚の手からナイフを取って、
殺せんせー「勝負ありですね、烏間先生」
と続けて愚痴を言いながらナイフを食べだし、現実に戻った生徒たちが渚に駆け寄った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩こんぶ | 作成日時：2022年11月2日 16時
