20話 「期末の結果(1)」 ページ20
期末テスト。
成り行きでA組とE組が総合1位を争うことになったらしい。
さらには殺せんせーの触手を賭けて。
A「……」
あの日からAはクラスの人と会話を避けるようになった。
業とは多少会話するが、本当にそれだけ。
磯貝や中村、倉橋などコミュニケーション能力が高い面々が話しかけても、Aは一言で終わらせるだけで、長居はしない。
休み時間もどこかしら離れていて、話す機会が前以上に落ちた。
Aに撃たれかけた片岡も気にはしていないようだが、距離を置いている。
そんな中、テストが始まった。
A(今回の暗殺、カルマは無理だな。
このレベルじゃ、せいぜい20位以内)
Aはスラスラと回答を書いていく。
今回の賭けは、少し面倒くさそうだ。
──────────
Aは自分の席で、自分の席次を確認した。
そこには総合6位と記載されている。
教科1位では無いが、E組で一番の成績だ。
触手獲得は七本。
A組との勝負もE組が勝ち、報酬を夏の勉強合宿にしてもらって、暗殺が決まった。
全員が興奮して帰る中、Aは廊下で業に呼び止められた。
業「なんで、数学で攻めなかったの」
A「興味無かった」
業「……」
A「成績も、暗殺も興味無い。
どうせ今の私たちにあのタコを殺すのは無理だから」
Aが歩き出そうとした瞬間、目の前に殺せんせーが立った。
マッハの影響でAの髪が揺れる。
殺せんせー「おや、分かってますね」
シマシマ模様の顔色を浮かべる殺せんせーに業は腹が立つが、Aは顔を向けようとせず廊下の先を見ていた。
殺せんせー「興味無い、その一言は逃げじゃありませんか？
先生を殺すのが怖いんですかね〜ヌルフフフフ」
A「私は勉強が出来れば、本校舎だろうがボロ校舎だろうがどこでもいい。
暗殺には興味が無い。それだけ」
そう言ってAは校舎を出ていく。
その背中を見ていた業は殺せんせーを見る。
業「殺せんせー、多分Aがああなった理由だけど」
殺せんせー「はい」
業「……Aの家族が原因だと思う」
業のその言葉に殺せんせーは考える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩こんぶ | 作成日時：2022年11月2日 16時
