蛸、取り返しがつかない(1) ページ10
.
「……ハッ……」
「あ、目ぇ覚ました」
気が付けば、僕は横になっていた。
僕を囲むようにジェイドとフロイドを始めとした面々が並んでいる。さっきまで懐かしい夢を見ていたような、何処か現実離れした感覚が残っている。ついでに言うと身体中が痛い。
「アズール、この指は何本に見えますか？」ジェイドの問いかけに８と答えたが、どうやら不正解らしい。それでも珍しく安堵したような表情を浮かべるジェイドに、益々今の状況が分からなくなる。
「僕は……一体、なにを？」
「魔法の使い過ぎでオーバーブロットしてしまったんです。覚えていませんか？」
「ボクに力をくださいよぉ〜〜って泣きながらみんなの魔法吸い上げてさぁ。ちょ〜ダサかった」
「ちょっとゲンメツ」と言うフロイド。僕がオーバーブロット？そんな記憶もなければ自覚もない。信じられない事だが、身体中が怠くて痛い事実とフロイドの言葉から、それが信じがたい事実であることを証明した。
なかなか事実を受け入れられない僕を放って、話はどんどん進んでいく。悪食商法はやめろだとか、対策ノートは他の誰にも作れないだとか、僕の黒歴史を晒されたりだとか。
アトランティカ記念博物館にあった写真を約束通り手に入れてきたユウさんたち。その写真を見せびらかすフロイドと面白がるジェイドを止めようと情けない声をあげてしまう。ああ、まったく！なんでAはこの２人を止めないんだ！
「A！この２人を止めてください！……A？」
「あれ、A先輩がいない」
「本当だ」
「おっかしーなぁ。あの人もオレらと一緒にアズール先輩と戦ったのに」
いつも僕の周りに居たAがいなかった。
彼らの話によるとオーバーブロットした僕を止めようと一緒になって立ち向かったらしい。Aのことを考えれば僕を救おうと止めるのになんの疑問も感じないし、僕が目覚めるまで側に居ることが当然のように感じる。だが、この場に彼女はいない。それはつまり、僕が目覚める前にこの場を去ったということだ。
「Aなら
「え……？」
「あ〜〜〜〜〜もしかして、
「ええ、間違いなく
「アレ……？なんなんだ、アレって」
「アズールがAのことボロカスに言ってたことが原因じゃね？」
ちょっとその話詳しく。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2078人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結月(プロフ) - まじで、すごすぎん、塩さんのファンになってしまった！！！！続き楽しみすぎて夜しかねれません(？)続き待ってます繰り返し見ても飽きない！！！！凄い (2月13日 11時) (
レス) @page25 id: 261332fd8c (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - わー、続き気になる、、いつか更新されることを祈って、、！ (7月22日 22時) (レス) @page25 id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 面白く何回も読ませていただいております！更新楽しみです！ (2022年12月10日 19時) (レス) @page25 id: acedfd8679 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀恋歌(プロフ) - 何度も繰り返し読ませていただきました！！面白、面白？ではないですけど、本当に夢主ちゃんがタコちゃんのことを好きなんだって気持ちが伝わりました！！もしよろしければ続きが読みたいです。更新のこと、考えてみてください。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
寝巻き - 塩さん» 更新されてる！！！ゆっくりで全然大丈夫なので、完結まで読ませて貰えたら嬉しいです…！本当に好きなんですよ！この作品！！ (2020年10月23日 1時) (レス) id: d9b4af21ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩 | 作成日時：2020年6月10日 13時
