蛸、正座する(3) ページ19
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「まず、弟であるそこのウツボたち」
「はい」
「ふぁに？(なに？)」
キャンディーを口に入れてもごもご話すフロイドにヴィルさんは汚いものを見るような目を向ける。すみません、本当にすみません、でもキャンディー咥えてる方が静かなので許してやってください。
「Aの世界を好き勝手壊しておいて、未だに自分たちの世界にAを縛りつけるなんて勝手が過ぎるんじゃあない？」
「「 ！ 」」
「 ？ 」
ヴィルさんの言っていることは抽象的すぎて僕には分からない。しかし、フロイドだけでなく珍しくジェイドまで面白くなさそうに顔を歪めているところを見ると、2人には意味が伝わっているらしい。
「あの子が選んだ時に、それ相応の覚悟は出来ているんでしょうね」
「それは……」
「次にそこのタコ」
「！ ぼ、僕ですか？」
2人に向けられていた視線が僕に移る。
ジェイドやフロイドを見る時より鋭い視線が僕を貫く。え、いや、2人の時より怒っていないか？少なくともAに甘えている、だなんてことはないと思うんだが？
「アンタは論外」
「は？」
「自覚のない男ほど面倒な存在はないわね」
「自覚？一体なんの話です？」
また意味の分からないことを言う人だ。
分かっていない僕にまた舌打ちをするヴィルさん。そして何故か「それな」みたいな顔をしているジェイドとフロイド。さっきまでのしおらしいお前たちはどこに行った？
2人には分かって、僕には分からないだなんて、そんなことがあっていい筈がない。不本意だが「もう少し分かりやすくお願いします」とヴィルさんに言えば「これだから……」とぼやいた。
「仕方ないわね。分かりやすく言ってあげるから耳かっぽじってよく聞きなさい」
「ええ」
「アンタはあくまで手を差し出す側、手を取ってくれるのを待つ側、選ぶのはA」
全然分かりやすくないんだが？？？？
この人、さては僕が分からないように言っているな？理解させる気がないな？視界の隅でうんうん頷くジェイドとフロイドが鬱陶しい。何故、お前たちは理解しているんだ！？
「いつだって王子に選択肢はないわ。物語を左右するのはお姫様の方」
「あの、本当に訳が分からないのですが…」
「選ばれるにはそれ相応の努力をしなさい。Aの気持ちに胡座をかかないで」
これ以上言うことはないわ、と席を立つヴィルさん。
最初から最後までなにも理解出来なかったが、気分は最低だった。
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結月(プロフ) - まじで、すごすぎん、塩さんのファンになってしまった！！！！続き楽しみすぎて夜しかねれません(？)続き待ってます繰り返し見ても飽きない！！！！凄い (2月13日 11時) (
レス) @page25 id: 261332fd8c (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - わー、続き気になる、、いつか更新されることを祈って、、！ (7月22日 22時) (レス) @page25 id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 面白く何回も読ませていただいております！更新楽しみです！ (2022年12月10日 19時) (レス) @page25 id: acedfd8679 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀恋歌(プロフ) - 何度も繰り返し読ませていただきました！！面白、面白？ではないですけど、本当に夢主ちゃんがタコちゃんのことを好きなんだって気持ちが伝わりました！！もしよろしければ続きが読みたいです。更新のこと、考えてみてください。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
寝巻き - 塩さん» 更新されてる！！！ゆっくりで全然大丈夫なので、完結まで読ませて貰えたら嬉しいです…！本当に好きなんですよ！この作品！！ (2020年10月23日 1時) (レス) id: d9b4af21ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩 | 作成日時：2020年6月10日 13時
