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「りょうま！！」
クラス中が盛り上がりを隠せていなかった時、叫びに似た声は寺坂君のことを呼んだ。
この声は、寂しくなった教室を作った原因の声
彼はカルマ君と並んで同じ順位。つまりは一位。黒板の張り紙の一番左上を見てから、教室の後ろの方の扉に目をやった。
しかし声は聞こえるがまだここには来ていないようだった。クラス中も誰が来たのかわかっているのだろう、少し静かになり嬉々とした表情を浮かべている
しかしあの声のトーンが染みついて離れない。なにかこれから嫌なことが起こるような
「ちょっとアンタ！どうしたのよ！髪ぼっさぼさじゃない！」
「急いできたから！みんなに会いたくて！」
「あら〜本当に〜？お帰り！向こうでお茶しましょう！ちゃんと労わってあげるわ！」
「ビッチ先生に構ってる暇ないんだって！離して！」
「なんですってこのクソガキ！！！！」
廊下のすぐ近くでそんな言い争っている声が聞こえる。ビッチ先生のおかげで少し和んだがたぶん彼は早く教室の方に来たいのだろう。どうにかして振り払った彼はもう一度叫ぶように寺坂君の名前を呼び教室の扉を乱暴に開けた。
その後ろからは怒ったようなビッチ先生の姿。
「Aお前」
「りょうま」
彼は僕らの表情一つ一つ見回してへにゃりと笑った。
ビッチ先生が言ったように彼の髪はぼさぼさだ。いつもきれいに整えてある髪の毛は彼方此方に流れ葉っぱや木の枝が絡みついている。でも、よく見たら髪だけではなくブレザーにも頬にも擦れたような傷や被れができている。彼は急いで此処へ来たのだろう。
しかしなぜに。
「どうしたお前。授業中だろ」
「みんなにあいたくなった」
そう言った彼は呂律が回っていないのかへにゃへにゃとした話し方だ。心なしか顔も青いし息切れもしている。まるで何かから逃げてきたかのよう。
そんな自由が許されるわけでもないのに彼は当然のように以前の自分の席へと座った。
まるで子供のようでクラス中の視線が彼へと集まった。さっきまで怒っていたビッチ先生も騒いでいたクラスも何か異変を察したように静かに彼を観察する。
そうだ。
もうわかり切ったことだ。A君は時々変なところで空気の読めないところがある。自分本位に生きる子供のように自分が楽しければいいと思っているような節が時々ある。
しかもそれは決まって彼の心が安定していないとき。
僕らが心配そうに彼を見つめている中彼は疲れたと言って顔を伏せる
その時だ
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篠鷺(プロフ) - ヒビキさん» 読んでいただき感謝です！亜麻色ですか！先ほど調べてきたんですが確かにそんな色合いで....というよりもモロに理想でした！教えて頂き感謝します。亜麻色亜麻色...良い色でした (2018年3月20日 20時) (
レス) id: 6dfb7746bb (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 遅まきながらこの作品を見つて読ませていただきましたが、めっちゃ面白いです！あと主人公の髪色が何色っていうんでしょうって言ってた件ですがあれ亜麻色(あまいろ)だと思います。厳密に言うともっと違う色なのかも知れませんが、私が見た感じでは多分亜麻色だと… (2018年3月20日 18時) (レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠鷺 | 作成日時：2018年3月11日 11時
