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「・・・」
怒らしてしまった事に気付き、寺坂君が去って行った方を見つめるA君。
何がいけなかったんだろう。とぼやきながら唇を撫でる姿は色っぽくて固唾をのんだ。
彼はきっと人の気持ちを理解することが苦手だ。特に幼馴染の寺坂君に対しては一段と。少しずつ少しずつ自分が何をしでかしたのか理解してきたA君は悲しそうな顔をして目を伏せた。
彼がどうして寺坂君をそんなに縛り付けているのか。それは未だにはっきりわからない。でも彼らの思い出にまで僕らが足を踏み入れていいわけでもない。
彼らにとっての始まりは彼らだけが知っていればいい。
きっと、自分が寺坂君を縛り付けてしまっているのをA君は許せないんだ。だからどうにかして解放させてあげたい。でも寺坂君はそれを望んでいるわけではない。
A君にとっての苦しみは寺坂君にとってどうしようもなく心地のいいものなのだろう
「こまりましたねえ〜」
「「「殺せんせー・・・」」」
たとえどこから出てきてももう驚かない
「彼はやっぱり不安定ですね。ようやく安定してきたと思ったんですが」
長い触手を顎に当て何かを考える殺せんせーに僕らは正面を向いた。不安定な時期からようやく頭を出し僕らの隣に身構えてきたと思えばこれだ。彼は何かが足りない。なにかを落としてここまで来てしまった。
生活する上では関係のない。生きていくためには必要なのない。でも人として思いあうためには大事な何か。
家庭のせいもあるのだろう。プールサイドに腰かけた彼を見て眉を下げた。
これは僕らではどうしょうもできない彼ら幼馴染二人の話だ
濡れてしまって気持ち悪いのだろう。
腕の袖をまくり上げて見える無数の赤い線が今彼の理性を表しているのだ。
痛々しいその傷はやがて茶色に変色し痒くなってしまうのに。痣が消えたその体。
なにか物足りなくなってしまったのだろう。痛みが生きていることを示してくれる唯一の感覚なのだろう。
僕らが指摘してもやんわり笑って隠すだけ、止めさせるのは彼しかできない。
痛みが彼を救っているなんて、あんなに悩まされた痛みに頼ってしまうなんてそんなのあまりにも笑えない。
それでもたたずむ彼はとても綺麗で。彼を汚し同じ地に引きずり落とすのは彼に背を向けた彼だ幼いころからずっと一緒だという彼。
麦谷Aは愛されたいのだ
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篠鷺(プロフ) - ヒビキさん» 読んでいただき感謝です！亜麻色ですか！先ほど調べてきたんですが確かにそんな色合いで....というよりもモロに理想でした！教えて頂き感謝します。亜麻色亜麻色...良い色でした (2018年3月20日 20時) (
レス) id: 6dfb7746bb (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 遅まきながらこの作品を見つて読ませていただきましたが、めっちゃ面白いです！あと主人公の髪色が何色っていうんでしょうって言ってた件ですがあれ亜麻色(あまいろ)だと思います。厳密に言うともっと違う色なのかも知れませんが、私が見た感じでは多分亜麻色だと… (2018年3月20日 18時) (レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠鷺 | 作成日時：2018年3月11日 11時
