１３３ ページ35
「浅野がね、浅野がギュイーンってギター弾いてて！」
マジかよ！何もかも出来すぎて気持ち悪ィ！！ 岡島君と話をしていると 仕事して！と片岡さんから飛んでくる説教。
「本当だよ岡島君！仕事しなよ！」
「責任転嫁〜麦谷おめえもだ！！」
二人でケラケラ笑っているとまた白い眼を感じる。おれはおとなしくまた客引きに行くことにした。
がんばれよ〜と後ろから声援を送る岡島君を振り返ると、彼の後ろに目も当てられないような完璧に怒ったような顔をした片岡さんがスリッパを振りかざしているところを目撃してしまった。
E組を下る坂ですれ違う本校舎生徒に、PTAの方に地域の方に挨拶をしながら本校舎への道を歩き、声を張ってE組の宣伝をする。
俺の声に反応する人が沢山で、確かにカルマの考えを認めざるを得ない状況になってきた。
きゃ〜行きます！接客してくれるんですか〜！の声に笑みを漏らしつつ対応する。そして他のクラスの店も堪能する。
どんぐりつけ麺も食べて結構うまいと思ったけど、学園祭と言えば普通のポテトフライやフランクフルトが人気を占める。しょうがないことだがやるせないのも事実。その二つを買って食べ歩きしながら宣伝していると、後ろに行列ができているのが判明した。
「え、君たちどうしたの？」
「E組まで案内してください！」
きゃ〜と耳障りな声がして顔をしかめたくなったが もちろんと言葉を返す
帰り道矢田さんに、ナイスだ。と親指を上げられポテトを奪われてしまったがこの際何もかも諦めることにしよう。つまらない会話に笑いつつ長い道を大勢で歩いた。
「ナイスだ麦谷！！あの女子共がお前を所望している！早くまた客引き行ってこいクズが！！」
「前原君が行って」
イライラした顔を浮かべる前原君に疲れを隠し切れない。きゃ〜きゃ〜騒ぐ女子たちを大勢連れてやってきた俺を皆はいたわってくれたが一部の男子はこう、前原君みたいに必死になっている。
軽いのを隠せば君だって充分モテるのに
「麦谷君手が空いてるなら接客にシフトチェンジお願い！との事です！もう席だいぶ埋まっちゃったから客引きはいいよ〜だって」
そう言いに来てくれたのは意外にも奥田さんだった。彼女とはあまり話をしたことは無く、互いが互いに存在を知っているだけの存在だった。きっと彼女以外の人間は忙しくて手が空いていなかったのだろう。たまたま彼女だけが手が空いていたってだけで。
ありがとう といい、前原君にニヤリと笑って接待に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
篠鷺(プロフ) - ヒビキさん» 読んでいただき感謝です！亜麻色ですか！先ほど調べてきたんですが確かにそんな色合いで....というよりもモロに理想でした！教えて頂き感謝します。亜麻色亜麻色...良い色でした (2018年3月20日 20時) (
レス) id: 6dfb7746bb (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 遅まきながらこの作品を見つて読ませていただきましたが、めっちゃ面白いです！あと主人公の髪色が何色っていうんでしょうって言ってた件ですがあれ亜麻色(あまいろ)だと思います。厳密に言うともっと違う色なのかも知れませんが、私が見た感じでは多分亜麻色だと… (2018年3月20日 18時) (レス) id: b814e0d67a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：篠鷺 | 作成日時：2018年3月11日 11時
