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「そういえばお前ってすげー頭いいんだな!」
2人用席を1人で広々と使用して外を眺めて少し舟を漕いでいたとき ふと掛かった声に意識を浮上させた。声をした方を見ると今まで誰もいなかった隣が占領されそこにはイケメン前原君が座っていた。
「...そう?」
「オール満点が謙遜するなよ...で実質どうやって点取ってんだ?」
教えろよと言わんばかりの顔でこちらを見てくる彼。修学旅行ぐらい忘れようよ勉強のこと。そもそもそんなにガリ勉キャラだった君は?
「わかんない」
「・・・根っからの天才かよ・・・知的な男はモテるって聞いたからお前に尋ねたんだけどな...」
な、小さい頃とかどうだった?やっぱり金持ちに生まれると周りって違って見えるのか? 一瞬だけシュンとする前原君は次のモノに興味を持ったのか次々と質問攻めをしてきた。それに一つひとつ答えた僕は疲れ果てている。のも限らずまだ話すことがあるらしい前原君。話題あり過ぎ...
「でもさ。こうして麦谷と話してるといつの間にか金持ちだ、オール満点だってこと忘れちまうな」
「それで良いよ。むしろ忘れて。皆に接するみたいに普通に接してほしい」
ただ少し本音を言っただけ。それなのに少し心が軽くなってふわふわして、少しずつさっきの眠気が襲ってくる。多分それは微かに揺れる電車と頭を撫でるこの手のせい。少しずつ少しずつ僕の意識は闇に埋もれて行った。
「前原」
「にゅや?麦谷君は寝てしまいましたか」
頭を撫でていると少しずつ舟を漕ぎ出した麦谷を見届け静かに寝かせていると突如聞こえた馴染み声2つ。
「磯貝と殺せんせーか、ああ寝ちゃったよこいつ」
と頬を突く殺せんせーと頭を撫でる磯貝に起きるからやめろと言う。主に殺せんせーに対して
「磯貝、殺せんせー、こいつもさ強そうに見えるけど色々問題抱えてるんだな」
無意識だろうかキュっと袖を握りながらもお願いお願いとすがりよりその不安気な目でこちらを見る麦谷の顔が未だに忘れない。助けてって言ってるみたいで。
「でもさ少し安心しちまった。こいつもE組なんだなって」
そんな俺の言葉に頷く2人を見て俺はまた安心した。思ってる人は俺だけじゃない。
「しっかし、やっぱこうしてみると男にしては綺麗な面してるよなあ」
「確かにな。まあ本校舎時代から麦谷は高嶺の花的存在だったし。話したことなかったけど話してみれば話しやすいしもっと前から話しとけばよかったよ」
「それね」
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快楽さん - 面白い作品ですね!腐腐腐腐腐腐腐、あっ!お体にはお気をつけてください! (2018年3月30日 11時) (レス) id: f253c0cddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠鷺 | 作成日時:2018年3月5日 20時