44th ページ17
拝啓 相澤A様
Aがこの手紙を見ていると言うことは、俺は百鬼夜行に失敗したってことだろう。
今までありがとう。そしてごめん。
Aのおかげで夏油さんや五条さんに出会えた。
無個性なのに個性みたいなのが使えて、気持ち悪いのが見えて。
俺は異常なんじゃないかと不安になってたときにAも同じだとわかって嬉しかった。
最終的には、いろんな人の期待を裏切ることになって申し訳ないと思ってる。
でも、俺は間違ってないと思ってる。
非術師を助けるために俺らはいる。夏油さんにそう習った。
でも、俺にはその意味がわからなくなった。
俺らは身を粉にしてまで戦う必要があるのか、何故そこまでして赤の他人を助けるのか。
離反したことを悔やんではいない。
非術師を殺していけばいつか呪術師だけの世界になる。そうなれば呪霊は生まれない。
歪んだ思想だと思う。でも一度進んだ道は戻れない。
高専にいる時間が楽しかった。夏油さんに稽古をつけてもらえるのが嬉しかった。
Aと歩く放課後の高専への坂が大好きだった。
ありがとう、さようなら、愛しています。
来世では呪い合うことがありませんように。
貴方を守り抜くことができますように。
俺の分まで長生きしろよ。 敬具
2017年12月23日 温田悠威
ｰｰｰｰｰ
便箋には悠威の達筆で思いが綴られていた。ところどころインクが滲み紙がうねっていて涙の跡が分かる。
百鬼夜行前日に書かれたその手紙は、離反した彼の気持ちが強く伝わってきて酷く心を締め付けた。
なんで気づけなかった？これだけ思い詰めていたなら何か違いがわかったはず＿
とそこまで考えて、ああ、悠威はそんな人だった、と思った。自分よりも周りを気にかけて、いつも笑顔でいる人だったと。
『…あれ、もう一枚。』
茶封筒に便箋を戻そうと口を大きく開くと、メッセージカードくらいの大きさの紙が入れられているのに気がつく。
『…！これ…五条先生、夏油先生！』
五「どうした？」
『これ！』
そう言って紙を差し出す。五条先生と夏油先生は紙を覗き込み、少しして同時に勢いよく顔を上げた。
家「なんだよ…なんだ？遺体は燃やしてください…って！」
遺書を取りに行っていたら、早く見ていたら遺体は乗っ取られなかったってことなの？
私情で遺書を取りに行かなかったから今こんな風に悠威が…？
家「そう気負わなくていい、A。悪いのは乗っ取った奴だ。」
『…そ、ですね。』
私はなんて、未熟なんだろう。
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あすか@暇人(プロフ) - アニオタちゃんさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月28日 20時) (
レス) id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 尊い・・・Ω＼ζ°)ﾁｰﾝうちの子たち「あ、作者が死んだ今だ皆かかれ〜」ちょっとやめて！うちの子たちが失礼しました！応援してます！頑張ってください！ (2022年6月28日 19時) (レス) @page12 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
あすか@暇人(プロフ) - noneさん» noneさん、ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします！！ (2022年6月11日 11時) (レス) id: c5295c2a30 (このIDを非表示/違反報告)
none - 続編おめでとうございます、これからもひっそりと応援してます。 (2022年6月11日 9時) (レス) id: fefad6577a (このIDを非表示/違反報告)
あすか@暇人(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます！ (2022年6月6日 18時) (レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすか@暇人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=Shinonomelei110
作成日時：2022年6月4日 15時
