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悠威が乗っ取られた、かもしれない。
自分で口にしたけど受け止めきれなかった。
許せない。ぶっ殺してやる。
どす黒い感情が心を支配していく。
＿ああ、でも。
悠威の声がまた聞けてよかったかも、なんて。
体の温もりを感じられてよかったかも、なんて。
思ってはいけないだろうか。
『っ…。』
思い出せば目頭が熱くなる。鼻の奥がツンとする。
…そうだ、遺書。
私は遺書を開けることができず、結局取りに行っていない。
このことを知っているのは私だけ…だと思う。
場所、変わったりしてないかな。スクバ捨てられてたらどうしよう。
そう思いながらも私は悠威の家へ歩みを進めた。
鍵は持っている。悠威が合鍵を作ってくれたから。
門を通り広い庭を突っ切って歩く。ようやくついた玄関の戸に鍵を差し込み、右に回してドアを開ける。
『お邪魔します…っ…。』
入った瞬間にむわっと広がる生臭い匂い。家全体に黒いシミが広がっていた。
歩みを進めても進めてもどこもかしこも黒。ところどころ経年劣化して色が変わった壁が顔を出している。
人を2人殺した血液量じゃない。温田家に仕えていた使用人も多く殺したのだろう。
なんで悠威が。
彼は強くて、優しくて、それでいて変なところで頑固で。
当時は中2だったから見せてもらえなかった悠威が遺した罪の証。
悠威が離反する前最後の記憶は高専から帰るときにこの合鍵を投げてニカッと笑う彼の姿。
いい記憶で終わっていたからこそ、辛い。
『…悠威の部屋って、どこだっけ。』
“どんな時も強くいろ、弱気になれば人生負け組だぜ？笑ってる方が断然かわいい。この俺が保証してやる。”
なんだっけ、これ。
ああ、そうだ、初めて悠威に組手で負けたときに言われたやつだ。
…私の中で悠威って、こんなにも影響力ある人だったんだ。
失ってからわかる大切さ、みたいなのを聞くけど、こう言うことなんだな。
『…弱気になんなA。笑ってる方が断然かわいい。悠威が保証してくれる。』
そう言いながら私は目の前の戸を引いた。
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あすか@暇人(プロフ) - アニオタちゃんさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月28日 20時) (
レス) id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 尊い・・・Ω＼ζ°)ﾁｰﾝうちの子たち「あ、作者が死んだ今だ皆かかれ〜」ちょっとやめて！うちの子たちが失礼しました！応援してます！頑張ってください！ (2022年6月28日 19時) (レス) @page12 id: e98fa1655a (このIDを非表示/違反報告)
あすか@暇人(プロフ) - noneさん» noneさん、ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします！！ (2022年6月11日 11時) (レス) id: c5295c2a30 (このIDを非表示/違反報告)
none - 続編おめでとうございます、これからもひっそりと応援してます。 (2022年6月11日 9時) (レス) id: fefad6577a (このIDを非表示/違反報告)
あすか@暇人(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます！ (2022年6月6日 18時) (レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすか@暇人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=Shinonomelei110
作成日時：2022年6月4日 15時
