# day30.5 ページ35
行秋視点
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行秋「遅かったじゃないか、2人とも」
「ごめんなさい、HRが少し長引いちゃって…はい、これが貰った本です」
そう言ってAは僕にその本を渡してきた。
…『王子と姫と村娘』
行秋「凄いな、本当に手に入るなんて…しかも状態も良い。この本は僕が預かっておくよ。後でリサさんにも伝えておく」
「ありがとうございます!そうだ、ティナリさん達に改めてお礼を言いに行きたいな」
行秋「あぁ、僕からも機会があればお礼がしたい」
「うん、そうしましょ!」
ふと、目の前でうきうきと話しているAを見る
思えば彼女への印象もここ最近で大きく変わった
今では僕は気軽に話せる友人が1人増えた、と思えている
行秋「そうだウェンティさん、あの後体調は大丈夫だっただろうか」
ウェンティ「あぁ、うん。今はもう大分楽になってきたよ」
それはよかった、と思ったその時ふと頭の中にあることが引っかかった。
行秋「…思えばあの時飲んだ缶」
行秋「2人、間接キスとやらをしてたように思うんだけど」
僕のその言葉に2人が同時に固まった。
しばらくすると──Aは赤く、ウェンティさんは青く顔が染まっていく。
「…か、かかか、かっ…!?行秋さん何言って…!!」
ウェンティ「……おぇ、確かにそうだ…なんだかまた吐き気がしてきたような…」
「ちょっ、失礼じゃない!?勝手に欲しがって飲んだのはそっちでしょ!?」
ウェンティ「う゛、そうだけど…」
するとウェンティさんはその場でしゃがみ込んで顔を隠してしまう。
「え…まさか本当に体調悪くなってる?大丈夫?」
ウェンティ「いや…少ししたらよくなるよ、」
行秋「保健室に行った方が…」
そう言いかけたけれど
行秋「……?」
ウェンティさん、少し耳が赤い…?
ウェンティ「…ごめん、もう大丈夫だよ!それよりボク、本を見に行きたいな」
しばらくすると突然彼は立ち上がって言った。表情はいつも通り
気のせいだったのか?
「そうだ、私達何か本を借りようって話してたんだ!行秋さん、おすすめはありますか?」
行秋「…!そういうことなら任せてくれ。最近入ったあの辺りの本が面白くて──」
話しながら、ある疑問を思い出す
前のAがあの本を破った理由について
僕は一つの可能性を考えていたけれど…もしそれが当たっていたとしたら
彼女の状況はかなりまずかったのかもしれない
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み(プロフ) - ずはさん» 確かにあんな大胆な発言された後に双子とお勉強会ってちょっと浮気してる感あるかも…?笑 (5月9日 7時) (レス) id: e81bbd860b (このIDを非表示/違反報告)
ずは - 空蛍に勉強おしえてもらえるのすごい羨ましいしすごい良いけど、放浪者にあんなこといわれたら断ってしまいそうな自分がいる… (5月6日 1時) (レス) @page45 id: 93d9269e65 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - あさん» 楽しい時間をお届けできているようで幸いです、更新も頑張ります!thanks!! (5月4日 19時) (レス) id: e81bbd860b (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - ずはさん» ヒャ…こういうの結構私の主観に基づいて書いてるのでそう思っていただけてとても嬉しい…ありがとうございます…🫶 (5月4日 19時) (レス) id: e81bbd860b (このIDを非表示/違反報告)
あ - まじで面白い!次の投稿待ってます! (5月4日 16時) (レス) @page44 id: c592e3767f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:み | 作成日時:2024年2月22日 0時