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「ああ、いた！」
Aは珍しく大きな声を上げた。生徒たちが振り向く。
ドラコもまたその1人だった。
Aはどんどんとドラコの方へ向かってくる。探していたのは、どうやら自分であったようで、ドラコは驚いた。生徒がまばらにいる中で、まさか声を掛けられるとは思わなかったのだ。
ドラコに駆け寄るAは、少し息が上がっていて、急いでいるように見える。
「ねえ、あなたからお父様に何かお口添えできないの？」
「…はあ、何がだ？」
Aが話しかけてくれて嬉しかったのに、まさかの第一声がこれだったので、ドラコは落胆し、ややぶっきらぼうに答えた。
「バックビーク…あなたがおちょくったヒッポグリフ。もうじき処刑されるの」
試験が終わって間もなく、ハーマイオニー宛にハグリッドから手紙があったのだ。
…負けだった。ハグリッドの負けだ。バックビークは、今日処刑される。
Aは今からでも何かできやしないかと、ドラコの元へ来た次第であった。
「ハ、生徒に怪我を負わせたんだから、当然の報いだろう」
「まあ。先に手を出したのはあなたなのに」
Aは顔を顰める。
「ねえ、今からでもまだ間に合う──」
そうAが口を開いたとき、ドラコは彼女の肩を掴み、顔を近づけた。Aは驚いて口を閉ざす。
「僕から、父上に、口添え？…できると思うか？」
聞いたことがないほど、低い声だった。近づけられた顔は眉間にしわが寄せられ、歪んでいる。
ゆっくりと、Aの肩を掴んでいたドラコの手が離れていく。
Aはハッとした。
自分には、わからない。一般の家庭に生まれた自分に、マルフォイ家の事情などわかりやしないのだ。
「…そう、よね。ごめんなさい。あなたに頼んだところで変わらないって、わかってた。呼び止めてごめんなさい」
「…うん」
Aが悲しそうな顔をするとは思っていなかった。ただ、あの教師が痛い目を見たら良いと思ったのだ。
Aを悲しませている発端が自分であると思い知って、ドラコは黙り込んだ。
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べべべーべ(プロフ) - イッキ見してしまいました！ドラコと主人公かわいすぎませんかっ！！！！作者様の書き方とても読みやすくて大好きです。続きをお待ちしております (2月20日 3時) (
レス) @page5 id: 49ba69b450 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - あまえて来るドラコがかわいい……!!それに主人公の性格がすごく好きです！ (10月22日 2時) (レス) @page2 id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 一気読みしてしまいました^ ^つかず離れずな関係がリアルで素敵です！ゆっくり待たせていただいております^ ^ (10月12日 6時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
まろ - とても面白いです！更新楽しみにしてます〜！^ ^ (8月8日 17時) (レス) id: 8670eb784a (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 更新楽しみにしています☺️ (8月8日 8時) (レス) id: 7c123a14af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2023年7月16日 0時
