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第十五話 ページ16

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「佐倉さん!今日実行委員の打ち合わせでしょ?私代わるよ?」

「ちょっと抜けがけ禁止!先に代わるっていったの私だから!」

「文化祭の実行委員、大変だよ?それに今日バイトなんでしょ?」


授業が終わった瞬間、休み時間に蜂須賀が言った通り、どっと女子が私の机に押し掛けてきた。その勢いに思わず口から「ひっ」と悲鳴が出る。


「ちょっと!佐倉さんバイトしてないから!嘘つくのやめてくれる?」

「は?あんただって嘘ついてたじゃん。先に代わるよって言ったのは私だから」

「そんなことはどうでもいいわ!で、どうなの佐倉さん!!」

「え、ああ、ええと…」


正直、この実行委員は誰かに譲りたい。でも大人数すぎて、私には誰に譲るかなんて決められない。


「ほらA、行くよ」


そんな中から私を救いだしてくれたのは蜂須賀だった。彼女は私の腕を掴み、グイッと席から立たせる。


「ちょっと姉御!私達まだ佐倉さんと話してるんだけど!」

「もしかして話してる内容って実行委員の事?ならやめといたほうがいいよ」


すると蜂須賀はメモを出して、その内容を読み始める。


「だって仕事多いんだもん。まず生徒会と話し合って各クラスの予算を決めるでしょ?それに開会式と閉会式の用意もしてスピーチの原稿書いて、実行委員でやる劇の練習、それから自分のクラスの出し物も手伝わなくちゃいけないし…」

「王子と一緒に居れる時間なんか全くない…訳じゃないけど、話したりは出来ないと思う。それに当日も他のクラスの出し物とか見に行けないよ?パトロールあるし」


そこまで言うと女子達は絶句していた。おお、すごいな蜂須賀。


「そんなわけだけど、これ聞いてまだやりたいと思う子いる?こいつは変わる気満々だけど」


さすがに今の内容を聞いてまでやろうと思う女子は少なく、やっぱりいいや、とか遠慮しとく、と言って席に戻ってしまった。


「ナイス蜂須賀、スゴいね」

「いや、これでAが困るわよ。だって今言ったの、当日までに実行委員がやらなくちゃいけないことだもん。つまりA、今の話を聞いてたら分かると思うけど…」

「……まさか」


さっき聞いた話の内容を、私もやらなくちゃいけない。そんな考えが頭をよぎる。

蜂須賀はそのまさかだ、と頷いた。


「文化祭、頑張ろうね」

「いやだああああ!」


─────────────────────
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佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時

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