お兄ちゃんはプロ野球選手 3

# 143 ページ43

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わかった、と返事をして立ち上がる。

なに？宅配便？

なんて思いながらドアを開けると………




そこには翔平が立っていた。


電話を耳から離し、「A、」と
言おうとした翔平の爽やかな笑顔が
私を見てどんどん苦笑いに変わる。




翔平「なんで泣くのー(笑)」


「うえーん……」


翔平「はいはい、よしよし」




後手にドアを閉めながら、
俯いて泣きじゃくる私を優しく抱きしめてくれる。


翔平、翔平。


しがみついて必死にその存在を感じ取る。




「……ほんとに翔平……？」


翔平「そうだよ」


「なんで来たの……？」


翔平「ヒマだったから」


「は！？」


翔平「っていうのは嘘で」




私の頭を撫で、首筋に顔をうずめてくる翔平。


腕に込める力の強さが「会いたかった」、
と言っているようにしか思えなくて。




翔平「だって僕のことが大好きな誰かさんが
泣くから」




……もう泣いてるもん。


翔平に会えなくても、翔平に会えても、
どっちにしたって私は泣いてしまう。


でも翔平に会えた時の涙の方が、
ずっとずっと幸せ。




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翔平(……泣き虫だよねほんと。
泣き止みな、いいかげん)

(心配かけちゃうもんね……)

翔平(もあるけど、離れる時辛くなる)

(……(きゅん))

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