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# 120 ページ20

純くんは、前の家族のお兄ちゃんだった。


新しいお父さんの連れ子で、年は離れているけど私にすごく優しくて、お兄ちゃんを持つのは
初めてだったから嬉しかった。



だけど、純くんは私をものみたいに
扱っていた。


小学校の男の子の友達と遊びに行っただけで、
家に帰ったらものすごく怒られた。


叩かれたり、蹴られたりして、
いつも優しかったお兄ちゃんが別人みたいで。

そうやって私を怒った後は、決まって
優しくなって、「Aは兄ちゃんのもの
なんだよ」って言う。

そのときはただうなずくしかできなかったけど、子どもながらに兄の狂気は伝わっていた。

いつしかその優しさも、気持ち悪くて。



母からも虐待を受けていた私は、やがて
慎吾の家に引き取られることになった。

もう関わらない、そう思っていたのに。






純くんは、あれ以来ほぼ毎日高校に来るように
なった。
いつも校門の前で待ちぶせしてる。

それが、考えたくないけどストーカーと重なる。

まさか…そう思いながらも、恐怖を押し殺す
しかなかった。



ある日、友達と帰っていると純くんがいた。



純「A、おかえり」



友達に純くんの存在を知られたくない。
何より、こんなやつをお兄ちゃんだなんて
思われたくなかった。


顔を伏せて通り過ぎようとしたら、
急にぐいっと腕を掴まれた。すごい力だった。



純「何で無視するの?そんなことしちゃダメでしょ?」



一気に昔の記憶がよみがえる。
掴まれた腕に鳥肌が立った。


純くんは私の腕を掴んだまま、友達に笑顔を
向ける。



純「お友達?始めまして、Aの兄です」

友達「あっ、こんにちは。いつも仲良くさせて
もらってます、」

純「いえいえ。こちらこそ仲良くしてやってね」



何がしたかったのか、純くんは友達とそれだけ
話し終えると「またね」と私の頭を撫でて
消えて行った。


…もう、やだ。



友達「優しいお兄ちゃんだね〜」

「……ぃ、」

友達「…A…?」



いつまで苦しめられなきゃいけないんだろう。



「違う…あんなのお兄ちゃんじゃない!!
私のお兄ちゃんは、慎吾だけだもん…!」



慎吾の本当の妹になれるものならなりたかった。

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さやか(プロフ) - のんさん» まだ作成中です!明日になれば更新すると思うので、楽しみにしててください! (2019年4月13日 23時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 新しいのなんて検索すれば出てきますか? (2019年4月13日 23時) (レス) id: 46ded136c3 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - 楽しみにしてるので早く更新してください。 (2018年7月27日 19時) (レス) id: d893583017 (このIDを非表示/違反報告)
あやの - なるみさん» リクエストありがとうございます!宮西尚生さんですね、了解しました( ̄^ ̄)ゞ (2018年7月6日 7時) (レス) id: 21bf1aaff4 (このIDを非表示/違反報告)
なるみ(プロフ) - 読ませていただいていますリクエストいいですか?宮西尚生さんを出していただいてもいいですか?よろしくお願いします (2018年7月2日 23時) (レス) id: 1bb4345cd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやの | 作成日時:2017年9月29日 23時

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