お兄ちゃんはプロ野球選手 3

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今日は、午後にミーティングが入っているらしく、迎えに来れる人がいない。


遅くなっても迎えに行くから待っとけって
みんなに言われたけど、昨日はストーカー
いなかったし今日ももしかしたら大丈夫かも
しれないと思って駅まで帰ることにした。


それが、1番後悔することになるなんて。





心配だからって、翔平がずっとLINEをして
くれていて。

たわいもない会話を送りながら、駅への道を歩く。

幸い校門を出てからもストーカーの姿は
なかった。



翔平『誰もいない？』

『うん、今のところ』

翔平『何かあったらすぐ電話かけてきなよ？
僕ずっと携帯手に持っとくから』

『うん、ありがと』



LINEでも、すぐそばに翔平がいてくれてる
ような気がして、安心する。


もう少しで駅に着くよ、そう翔平に送ろうと
したとき。



カシャン、と携帯が手から滑り落ちて
地面に叩きつけられた。

目の前の光景を見たとたん、体がすくんで、
動けなくなった。



「…A」



目の前に立つ男の人。
その笑顔に心が凍りつく。


…なんで…。



「………純くん」



純くんは困ったように笑って近寄ってくる。
思わず後ずさりした。



「じゃなくて、お兄ちゃんって呼んでよ。
兄妹なんだから。もう忘れちゃった？」



兄妹。寒気がした。



「…A、大きくなったなぁ…
すごいかわいくなったね？」



そう言って手を伸ばしてきて、反射でばっと
避けてしまう。

いやだ…怖い。慎吾、助けて。



「ごめんな、びっくりさせて。
A、あそこの高校通ってるんだね、
わかった。…じゃ、また来るね」



「また来る」と残してどこかへ去って行った。


しばらくは、そこから動けず震えが
止まらなくて。


……なんで今さら、あの人が…。

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