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# 49 ページ49

甲子園にも応援に行った。初戦を勝ち進んだけど、2回戦で負けてしまい、慎吾の夏は終わった。

甲子園の裏でおかんたちと待っていると、
慎吾は少し遅くなってやって来た。
私を見て、ちょっと笑って、いつものように
抱き上げてくれる。


慎吾「A、ただいま」

「…おかえり」

慎吾「…はは、負けてもたぁ」


そう言って笑う慎吾。私には、悲しい笑顔に
見えた。


慎吾「あ、おかん、先車行っといてくれへん?
…Aと2人きりになりたいってか…
…後でちゃんと連れて行くから」

母「…ん、ええよ。ほな車で待ってるな」

慎吾「ありがと」


「A、兄ちゃんと散歩しよやー」と
私を抱いて球場から離れる慎吾。
私は黙って慎吾の肩のユニフォームを
ぎゅっと握っていた。


慎吾「…応援、来てくれたんに…
負けてごめんな、」

「…(ふるふる)」

慎吾「Aにかっこ悪いとこ、
見せてもうたな。全然打たれへんかった…
…最後、何ができてんやろ、俺」

「…しんご、めっちゃかっこよかったよ。
いちばんかっこよかった、」


慎吾は少し笑って、それから…
…私を抱きしめて泣いた。

慎吾のマメだらけの手は、甲子園の土で
黒くなっていて、それが慎吾の努力を
表していて。


慎吾が泣き止むまで、ずっとずっと抱きしめていた。





慎吾「Aー、何してんー?」

「高校野球のニュース見てる。
…慎吾の高校の時のこと、思い出してた」

慎吾「あ〜。やんちゃやったよな。
あれでだいぶおかんたち困らしてたんちゃうか…?」

「ううん、それだけじゃなくて。
慎吾、かっこよかったなって思って」


泣く慎吾も、笑う慎吾も大好き。

昔からずっと、慎吾は私にとって
ヒーローだった。


「お兄ちゃん」

慎吾「…何なん!ほんまに!照れるやん!」

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聖也(プロフ) - 高1でこれはキツいな…苦笑 夢小説なのに第三者視点で読んでます。上田さんの言う事も一理ありますね笑 ただ選手は素敵ですね! (2017年10月5日 18時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - 高校1年生何ですよね?なのに膝の上に乗るとか抱っこしてもらうとかおかしくないですか?面白いので頑張って下さい! (2017年10月4日 1時) (レス) id: b952425cd8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの - 0812さん» ほんとですか!!ありがとうございます!!!そう言っていただけるのが1番嬉しいです!!!Part 2もよかったら見てください(*^^*) (2017年7月26日 18時) (レス) id: 21bf1aaff4 (このIDを非表示/違反報告)
0812(プロフ) - 49話のところがすごく泣けます!!(涙)お兄ちゃんが涙を堪えているのが伝わってきました。 (2017年7月26日 17時) (レス) id: 1a28bb8284 (このIDを非表示/違反報告)
あやの - はんなさん» よかったです!!また書いてほしい選手がいたら、リクエストお願いします!!! (2017年7月14日 7時) (レス) id: 21bf1aaff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやの | 作成日時:2017年6月14日 23時

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