お兄ちゃんはプロ野球選手

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(西川龍馬side)


誠也と一緒に廊下を歩いていると、
向こうから歩いてくる女の子を見つけた。
そわそわと落ち着かない様子で、
声かけた方がいいんかな、なんて考えて
いたら、誠也が「あれっ？A！」って
駆け寄って行った。

A？知り合い？
その女の子は誠也を見たとたん、
みるみる泣きそうな顔になって。


「誠也〜！！」

誠也「うわ、重て！(笑)
大きくなったなぁ！」


抱きついてきた女の子を抱き上げる誠也。
女の子は誠也の首にぎゅーっと抱きついてる。


誠也「どした、兄ちゃんは？」

「ううん、慎吾とはきてない…
宮さんと来てた…なのに宮さん、
スタッフさんに呼ばれてどっか行っちゃって…
ここどこかわかんないのに、」

誠也「そっか、びっくりしたなー」

「うん…」


ふと、誠也の肩越しに女の子と目が合った。
女の子はぎゅっと誠也のシャツを握り、
ぺこと頭を下げる。


「…こんにちは、」

龍馬「えっ、あ、こんにちは」

誠也「ん？あ、龍馬はAと会うの
初めてか。龍馬、こいつ巨人の石川さんの妹」

龍馬「え、そーなん！？」


どうりでかわいい子やと思ったわ…。


龍馬「えと、初めまして。A…ちゃん？
カープの西川龍馬です。よろしくね」

「…よろしくおねがいします、…」

誠也「人見知りなんだよなー(笑)」


誠也はまだ涙目のAちゃんを
抱っこしながらおでこをくっつけたり、
変顔したり。
こんな面倒見のいい誠也なんて初めて見た。

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