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# 15 ページ15

上田さんは、完璧にみんなから私を遠ざけていた。みんなもみんなで、上田さんにニコニコしてて。
私の居場所が奪われた気分だった。
つらかった。


だけど、翔平だけはなぜか違った。
上田さんと話していてもそっけないし、
にこりともしない。
そんな翔平と話が続くわけもなく、
上田さんは私が翔平と話している時だけは
黙ってこちらを見ていた。


翔平「A、」


翔平は私が1人でいると、いつもそばに
いてくれた。
その優しさに何回救われたか。


「おつかれさま」

翔平「抱っこは?」

「いい」


翔平は私の隣に座り、顔を傾けてじっと
こちらを見つめてくる。
その長い指が私の前髪を上げて。


「ん?」

翔平「…目、赤い」


…やっぱり翔平にはばれちゃうなぁ。
けれど翔平は何も言わずに、私の頭に手を
そえてぐいっと自分の肩に預けさせた。

わかってて、あえて何も言わないで
くれてるんだろう。


「…しょーへ、すき」

翔平「んー?僕も」


ほんとに嬉しかった。
翔平のそういうところが大好きだった。


大将「なんや、お前らまたくっついてるんか。
仲ええなぁ」


バット片手に歩いてくる大将。
そういえば、さっき上田さんが大将に
こしょこしょ話してたな。
何言ってたんだろ…。


大将「翔平は仲良くするんがAしか
おらんのかいな」

翔平「Aしかいないですね」


真顔でなに言ってんのかな。


大将「ほんまにお前A以外の女には
無愛想やもんな。
上田さん悩んでたでー?翔平が冷たいて」

翔平「別に普通じゃないんですか」

大将「いや全然ちゃうわ(笑)
Aがええのもわかるけど、
もっと優しくしたれよ」


ああ、そっか…上田さんが大将に話してたのは
このことか。
一気に気持ちが落ち込む。
すると、翔平は私の頭を撫でて立ち上がった。


翔平「まず優しくする必要性を感じないので。
心配しなくても最低限の会話はしますよ」


そう言って歩いて行った。
…翔平。翔平がそう言ってくれるのは、
私のことを思ってくれてるからかな。


(なに怒ってんねんあいつ…
もー冷たいんやから)

(…違うよ、優しいんだよ)

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聖也(プロフ) - 高1でこれはキツいな…苦笑 夢小説なのに第三者視点で読んでます。上田さんの言う事も一理ありますね笑 ただ選手は素敵ですね! (2017年10月5日 18時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
真緒 - 高校1年生何ですよね?なのに膝の上に乗るとか抱っこしてもらうとかおかしくないですか?面白いので頑張って下さい! (2017年10月4日 1時) (レス) id: b952425cd8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの - 0812さん» ほんとですか!!ありがとうございます!!!そう言っていただけるのが1番嬉しいです!!!Part 2もよかったら見てください(*^^*) (2017年7月26日 18時) (レス) id: 21bf1aaff4 (このIDを非表示/違反報告)
0812(プロフ) - 49話のところがすごく泣けます!!(涙)お兄ちゃんが涙を堪えているのが伝わってきました。 (2017年7月26日 17時) (レス) id: 1a28bb8284 (このIDを非表示/違反報告)
あやの - はんなさん» よかったです!!また書いてほしい選手がいたら、リクエストお願いします!!! (2017年7月14日 7時) (レス) id: 21bf1aaff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやの | 作成日時:2017年6月14日 23時

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