【黒尾鉄朗】呪言師だった君へ

おまけ ページ47

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「はぁあ……」



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白く舞う息を目で追いながら、
愛しい彼女へ指を動かす。



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黒尾くん仕事終わった!そっちは?


.こっちも終わったよっ



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この何気ないやり取りも、
昔はこの未来すらも思い描けなかった。




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「(出会えた事にマジで感謝だな)」




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転校してこなかったら。
学年を先生が間違えなかったら。


俺が排球部じゃなかったら。
研磨が背中を押してくれなかったら。


あの先生が居なかったら。
伏黒くんたちが居なかったら。




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【 起こりえなかったら未来 】




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「(早く帰ってギューってしてぇ)」



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キスして、抱き合って、笑いあって。
こんな幸せな未来が来ていいんだろうか。



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「(今日はどう可愛がってやろうかなぁ笑)」




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意地悪もしてしまうようになった。←
いや、まあ、可愛いってのが本音よ、うん。



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.あ、怪我した。ごめん。



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「はぁああ！？」



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街中じゃなかったけど、
めちゃくちゃ声出しちまっじゃねーか！



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黒尾くんはぁあ!?何処を!?


.腕をちょこっとだけ。



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未だに危なかっしいけど。
それ以上に愛おしくて、



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「ったく、もー！！」



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連絡ひとつに浮き足立って、
ニヤつく俺は多分これから先も重症だ。



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「あ！って、結構大事じゃねぇか！！」



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今でも人を守る君。
だから俺は、その君を守ると誓ったんだ。



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「ったく、早く帰って手当するぞ」


『ふふ、』


「なぁに笑ってんだよ、馬鹿」




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【呪言師】だった君から、
【俺の彼女】になった君へ。




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『しゃけ、』



黒尾「･･･これからもっと、幸せにしてやるよ」




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また、こうして口付けできる事を噛み締めて。
俺は今日も彼女＿＿Aの手を繋いだ。

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