【五条悟】記憶喪失のフリをしたら元彼と付き合うことになった件について。 (ページ37)

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.&新作ページ37

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『･･･君は夏油傑って人、知ってる？』

恵「！、まぁ、少しだけなら」

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五条先生の親友で、元呪術師。
あの人の手で殺されたと、そう聞いていた。

だけど前の戦いで健在していることが判明。
状態こそ可笑しいが事実は事実だ。

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恵「でも何でAさんがその人の事を？」

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2つも違えば当然知らない事実。
けど名前くらいなら高専生徒だしな、

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『･･･彼奴も、きっとそれを知りたがってる』

恵「！、五条先生、ですか」

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この人、本当は＂彼奴＂って呼んでたんだ。
いやむしろ好感持てる((

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『･･･私と傑さんはね、従兄妹なの』

恵「！、っえ、」

『ふふ、ほんとだよ？』

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こんな状況で嘘がつけるのは五条先生くらい←
それに、悲しそうな顔が何よりの証拠だ。

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『傑兄って呼ぶくらい、大好きでね』

恵「･･･」

『多分、彼奴よりも、大好きだった、かも』

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妹目線でね、と零れる苦笑い。
今にも泣きそうな顔が胸を締め付けた。

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『傑兄が罪を侵したあの日。
私の所へ来て、こう言った。

＂私の世界には、君が必要だ。
だから一緒に来てほしい。＂って。』

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夏油さんが手を下してしまった日。
あの人はAさんの所へ来ていたのか、、

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『何の事だかサッパリだった。
けど何時もの傑兄じゃなくて、怖くてさ。

私は＂嫌だ＂って言ったの。
そしたら、傑兄、悲しそうに笑ったんだ、っ』

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ポタリ、滴る雫が速度を増す。
Aさんは必死に拭っていた。

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『傑兄が居ると思って高専に入学した。
けど何処にも居なくて、先生にも聞いて。

けど傑兄は何処にもいなかった。

その日の夜かな？夜蛾先生に呼び出されてね？
そこで初めて、あの日の事を知った。』

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くしゃり、と髪を掻き上げる。
後悔の色が滲み出ていた。

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『あの日、私が止めていれば。
あの日、私が話を聞いていれば。

そうすれば救われて命があったかもしれない。
未だにその事が着いて回るんだよね』

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ははっ、と今度は渇いた声。
俺はそれを否定する事しか出来なかった。

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恵「それは貴女のせいじゃ･･･！」

『分かってる。分かってるんだ。
けど、最後に会ってたのは、私、だから』

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悔やんでるんだ。
この人は、ずっと、ずっと。

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恵「(優しすぎるだろ、この人)」

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