試験・面接 ページ4
「何だ。なら、試験受けさせてやれば良いじゃねえか」
と近藤さんがさも当たり前もように言う。2人は目を見開いていた。
「はあ⁉」
「近藤さん、正気か?」
近藤さん入隊を反論されても尚、2人は私の試験(?)を反対する。
「舐めちゃイカンよ。女性でも戦力になる人は居るだろ。お妙さんとかお妙さんとかお妙さんとか」
「姐さんしかいねーじゃないですか」
いや、それ以前にお妙さんて誰だ。
…兎も角、私は試験を受けさせてもらえる事になった。
『うおりゃああああああああ!!!!!!』
真選組新隊士採用試験だとか何とかで、只今私は真選組隊士をぶっ飛ばし続けている。いつまで続くんだろ、コレ。いい加減飽きてきたな…。
「何者だ、アイツ…女のクセに、もう15人もぶっ飛ばしちまった」
「土方さん、そろそろ俺相手させて下さいよ。履歴書持ってねークセにあんなに強いのは納得いかねえ」
「日々見廻りサボって、甘味処行ってるテメーと大して変わんねーだろ」
履歴書無いのはしょうがねーだろ、作れなかったんだから。それだけお金無かったんだから。関係無いだろうけど。
『近藤さーん、コレって何本くらい取ったら合格何スか?』
「そんくらい取ってたら、実力の方は合格だ。問題は面接だ。履歴書がねぇからな…」
『自己紹介と動機言うんじゃダメ何スか。バイトした店とか大体覚えてますよ』
多分、そういう問題じゃ無いと思うけど。
「まあ、話してみないとわからねえしな。受けるだけ受けさせてやれ」
「近藤さん…」
「…しゃーねーな、近藤さんが言うなら…」
「総悟⁉」
どうやら、面接を受けることはできるようだ。
「じゃあ、まず…アンタが真選組入ろうと思った動機は?」
『給料が安定してそうだなーと思ったから』
「「……」」
そう答えると、煙草の人は青筋を立て、近藤さんや栗毛君にすらも目を逸らされてしまう。
「お前…敬語もロクに使えねえのか」
『ロクな教育受けてないんでね、目ェ瞑ってくだせェ』
そう、私の実家は貧乏だ。だから出稼ぎして働いてたってのに、バイト先を見つけてはクビにされて、見つけてはクビにされて…を繰り返していたのだ。
「要は金目当てってことですかィ」
『そうっスね。ハイ』
「金目当てか…」
「金目当てね…」
3人は黙って考え込んでいる。そして少し経ち…
「よし、合格」
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アップルパイ | 作成日時:2021年4月12日 19時