QKと娘ちゃん

大きなカメラ ページ48

izw side


とある番組で有難いことに密着取材をしたい、とのオファーが入った


もちろん快諾するが、密着となると番組的にはAにも光を当てたいだろう


結婚したことは報告しているし、ずっと指輪だってしいてる

でも子供が居ることやシングルであることは世間には言っていない

プライベートな話はNGにしようかとも思ったけど、Aが保育園に行くようなれば嫌でも保護者さんと顔を合わせるだろうし、もしかしたら変に尾ヒレがついて広がっていくかもしれない

それを未然に防ぎたい


だからAの顔や名前は出さなくても、存在だけは公表するいいタイミングかなと思った


取材は滞りなく進み、テレビ局を後にする


｢伊沢さん、次のご予定は？｣

伊沢｢今から会社に顔を出します！｣



オフィスへ向かう途中で福良さんに｢今から向かいます｣とLINEを送る

扉を開くといつも通り、奥からバタバタと走ってくる足音が聞こえる


A｢おかえ……ぴぃぃ！！｣


一応Aにも｢カメラが来るよ｣とは説明したけど知らない大人２,３人がいたからビックリしたのか、福良さんへ助けを求め奥へ逃げていった



伊沢｢…すみません、笑｣

｢いえいえ笑
今の子は…？｣


伊沢｢僕の子供です、こうやってオフィスに遊びに来てるんです｣


部屋の扉を開けると福良さんがAを抱っこして待っててくれた


ふくら｢ほら、パパ帰ってきたよ〜｣

伊沢｢ただいま〜、ビックリしちゃった？｣

A｢…ん、｣


こくんと頷いたAを福良さんの腕から抱き上げる

大きなカメラが恥ずかしいのか俺の胸に顔を埋め、俺の服を握りしめている


｢伊沢さん顔が緩んでますよ笑｣

伊沢｢いやぁ…娘が可愛くて、つい笑｣


その後は会議撮影デスクワークなど仕事の様子から趣味の筋トレやらまで撮ってもらった

その間にAもテレビカメラの存在に慣れたのかいつも通り遊んでいる


夜になればオフィスから人も少なくなる
最後の人に戸締りをお願いしてAを連れて家に帰る


Aのご飯を用意している様子を撮られるのは少し恥ずかしかった

Aを寝かしつけた後、最後のインタビューに答えて取材は終わり


色々喋りすぎたかな…と思ったけど言葉足らずで後から言われるよりマシだ


取材班を見送ってからAの横に寝転び目を閉じた


放送日が楽しみだ

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