･ ページ16
妻の遺影の周りにはたくさんの花が献花されている
未だに実感が湧かないが、目に入る物、聞こえてくるお経…全てが現実であると思わせる
『これからもあの子のことを愛してあげて』
『拓司さんも思い詰めないで、Aちゃんと一緒に幸せになってね』
お義母さんに言われた言葉だ
Aは祖母に会うのが久々な為嬉しそうだった
そんな孫を見て義母は微笑んでいた
葬儀も終わり、Aと一緒に妻を見送った
「ママは？」
ここ4日間、娘の前に姿を出さない母親を探すのは当然のことだ
伊沢「…A、難しいお話かもしれないけどよーく聞いて
ママは死 んでしまったんだ
だからもうAをギューってすることも出来ないし、Aちゃんって呼ぶことも出来なくなってしまったんだよ」
まだ2歳の娘だ
頭に？を浮かべている
伊沢「…難しいよね
ママはAには見えないかもしれないけど、ママにはしっかり見えているから…
Aのそばに居てくれるから…」
A「あえないの？」
伊沢「そうだね、もう帰ってこない」
屈んで目線を合わせるとじわ…と娘の目が潤み始めた
A「なんであえないの？
どうしておうち、かえってこないの？」
ポロポロと泣き出すAに胸が苦しくなる
ぎゅっと抱きしめたら「なんで、どうして」と繰り返しながら
やっぱり理解するのは難しいらしい
それでも伝えないといけないと思ったから
伊沢「パパは一緒にいるから
Aと一緒に…」
貴方を守ります、とプロポーズの時に言った
それなのに守れなかった
もしも、もしもを繰り返すだけ
何があっても守らないといけないんだ
この子の傍に居れるのは俺だけなんだから
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
伊沢「…変に誤解招くのも違うかな〜って思って “ お母さんは死んじゃったからもう会えないよ ” って伝えました
でもたまに「どこ？」って聞くから理解は難しかったみたいですけど」
ふくら「そっか、
ありがとうね、教えてくれて」
そんな話をしているうちにタクシーはテレビ局に到着した
伊沢「さ！今日も頑張りますか！」
ふくら「AちゃんもOA見るんだから頑張ってね、お父さん！」
伊沢「それは気合い入れないと…！笑」
よし！と気合いを入れ直して局内に入っていく
ふくら「…伊沢、なんか思うことがあれば俺らにも頼ってね」
伊沢「、本当ふくらさんって人の気持ち読み取るの上手いね」
ふくら「伊達にAちゃんよりも長く伊沢と一緒に居るからね笑」
伊沢「ふふっ、確かに、笑」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 253人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
焼きおにぎり(プロフ) - はるさん» ありがとうございます！無事完結しました！ 第二章でもよろしくお願いします！ (2021年2月26日 16時) (
レス) id: b3a53728cd (このIDを非表示/違反報告)
焼きおにぎり(プロフ) - 辰海恋歌さん» 辰海恋歌さんコメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！！ ありがとうございます！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: b3a53728cd (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 第一章完結おめでとうございます！続きも楽しみにしてます！ (2021年2月25日 20時) (レス) id: e048f80cb1 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - 第一章（？）完結おめでとうございます！新しい話を読むたびにニヤニヤしてました。素敵な作品をありがとうございます。第二章（？）以降も楽しみにしております。ご無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2021年2月25日 19時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
焼きおにぎり(プロフ) - はるさん» パパにも褒めてあげる人が必要です…泣 姪が春から保育園生なのですが叔母は不安で仕方がないです笑 (2021年2月21日 21時) (レス) id: b3a53728cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：焼きおにぎり | 作成日時：2021年1月11日 2時
