QKと娘ちゃん2

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そして挙式が始まった


新郎の友人が牧師先生と共に入場し、新婦とその父親が入場する



厳かな雰囲気にAは緊張しているのか、「しー」を守って腕を俺の方に向かって伸ばす


前を向かせたまま膝に乗せてあげると俺の腕をギュッと握っていた



そんな様子を微笑ましく思いながら、滞りなく進む挙式を見守る



友人も新婦さんもとても幸せそうに笑っていた





やっぱりすぐにでも結婚式した方がよかったのかなぁ…




入籍して直ぐに妻のお腹にAがいることが分かって、それからバタバタと忙しなく時が流れていった



妊娠が発覚してすぐの頃は「結婚式はこの子が3.4歳になった時！」という話もしていたがAがその年齢になる前に彼女はいなくなってしまった



女性はウェディングドレスを着ることが夢だと耳にしたことがある
少なくとも「いつか式をする」と言っていた彼女は着たかったはずだ




A「…パパ？」



伊沢「、どうした？」



A「みんな、いっちゃうよ？」



伊沢「あぁ、ごめんごめん、行こうか」



まだ2歳のAを抱っこして会場の外に出た

よく晴れた結婚式日和だ




A「かわいかったね〜！」


伊沢「そうだね、綺麗だったね」


A「ママもドレスきてた？」



子供って何か特別な力があるのかなってくらい、この子は俺の心の中を読んでいるような気になる




伊沢「…ママは着たかったけど着れなかったんだ
だからAがいつかドレスを着てくれたら、ママもパパも嬉しいな」


A「おっきいドレス、いつきれるかなぁ？」



伊沢「いつか着れるよ
あ〜でもその時はパパ泣いちゃうかも」



A「パパ、えんえんしちゃうの？
なら、きない！！」



伊沢「あはは、パパはそれでもいいけど、Aが大人になったらパパの言う事なんて気にせずAの好きなように生きるんだよ？」





「パパが泣くなら着たいドレスを着ない！｣なんて言う優しい女の子が二十年後、綺麗な女性になって幸せに笑っている姿を想像しながら帰路に着く



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