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«ym視点»
気づいてます。
えぇえぇ逃げたいくらいに怖いこと、気づいてますとも。
なんせ大好きないのおちゃんの事だからね。
こういう細かい所まで気づけてこそ、彼氏なのよ。
朝からずっと落ち着きがなくて、挙句の果てには家を出る時間ギリギリまで逃亡。
車の中でも口数がいつも以上に少なく、何より決定的なことは手がずっと震えてる。
ここからは俺しか多分気づいてないことで、よく見ると顔の表情筋もいつもよりちょっとだけ強ばってるし、瞳の水分量も多いのよ。
あとあと！これはあんまり教えたくないけど、本人も無意識レベルで俺の方をチラチラ見たり、運転中で気づかれてないと思ってるのかじーっと顔を見てくるし、あぁもう何この子俺をどうしたいの！！
全部ミラーで見えてます！！！
cn「涼介うるさいよ。空気が。」
ym「いや辛辣！あっ、ちぃちょっとサングラス取ってくれない？流石に地下は何も見えない……ありがとっ！はい、着いたよ〜。」
in「…。」ｯﾁﾗ
ふぅんんん…可愛い！！！
そんな助けを求める目で俺を見ないで、家に引き返したくなっちゃう！
yt「よしっじゃあさっさと行って終わらせちゃおう！いのちゃん抱っこする？それとも歩いてく？」
in「だっ………あ、あるくぅ」
いや抱っこじゃん！それはもう抱っこだよ！
cn「えぇ〜？歩くの？僕抱っこしたかったなぁ。抱っこいや？だめ？」
in「むぅ…ちにぇんがしたいなら…いいよ？ん！」
なんだこの！なんだこの生き物！
ほんとに同じ生物ですか！
cn「涼介ずっとうるさいよ？顔が。」
in「やまだぁうるさい！」
ym「ちょっとちゃんまで…」
yt「そんな山ちゃんもかわいい！」
なんてコント？を繰り広げながら待合室で検査の準備ができるのを待つ。
時間が経つにつれ、さっきのコントでやっと少し緊張が解れてたいのおちゃんも、またどんどん手の震えが出てきた。
本人は「こわくないっ！」ってずっと言い張ってるけど、もう誰が見てもガッチガチに緊張してるのよ。
研「すいませーん！お待たせしました。こちらにお願いします。」
in「…っ！やま…ちゃ…」
ym「んへへ大丈夫大丈夫！そんな不安な顔しなくてもいのおちゃんのすぐ側にいるよ？だから、はいっ！俺も抱っこしたかったし、お部屋まで一緒にギュッてしてこーね？」
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作者名：鹿 | 作成日時：2023年7月27日 20時
