からだはすなお ページ4
«in視点»
ついにこの日が来た。
来てしまった。
ym「いのおちゃ〜ん？準備終わった？そろそろ行こっか。」
yt「あれ？いのちゃんどこいった？やま！いのちゃんいない！」
ym「はぁ？！いないってさっきまでソファの上で……まじだ…。えっ？いのおちゃ〜ん？！」
いざ今日です！と言われる前に覚悟は決めていたつもりだったけど、本当にいざっていわれたらやっぱり無理。
そうだよ…ビビってるよ。
でも無理なもんは無理！
俺は今日1日ここから出ない！！
…ｶﾞｼｯ
cn「はい確保ー！！」
in「うわぁぁぁああぁあ！おろしぇぇえ！」
ぬぬぬ…お風呂場の浴槽の中に隠れてたのに…。
ってあれ？というか足音全くしてなかったよね？
バク転とか余裕でクルクルするし、知念は忍者でも目指してるの…？
ym「知念ナイス！ほらいのちゃん。観念して行こ？ちゃんと体見てもらわないと戻るものも戻らないよ？」
in「分かってるけどぉ…。…ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…。」
cn「え〜？なにいのちゃん、怖いの？そっかぁ、やっぱ3歳のけいちゃんには怖いよねぇ。」
in「ちがう！こあくないもん！おれ大人だからへーきだよ！」
ym「そーだよね！いのちゃん大人だもん。だから、パパッと終わらせて帰ろ？」
yt「山ちゃん！そろそろ時間やばいよ！」
ここまで来たら流石に分かるよね。
そう。今日は定期検査の日。
検査の内容も内容で、体に異常が無いか血液検査したり、触診したり、脳波を測ったり、なんか色々される。
じゃあ何にビビってるの？って話。
大人の体ならどれも全然平気なんだけどさ、なんかこの目線で見ると見るもの全て大きくて、注射器とかも普通に怖いし、何より1番嫌なのが触診。
俺やっと人見知りしないようにできたのに、この体だとなんか昔に戻ったみたいに上手く立ち回れなくて、距離感も掴めない。
だから知らない大人の人に、色々と俺の体を好き勝手触られてる気がして苦手。
このことは山田以外には伝えてない。
だってただでさえ子供扱いが過ぎるのに、これ以上甘やかされたら戻れなくなりそうだし。
それに今日は運悪くBESTのみんなが仕事で、7の3人が着いてきてくれるんだけど、余計に弱み見せたくない！
でも怖いもんは怖ぇよ！！
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作者名：鹿 | 作成日時：2023年7月27日 20時
