好きなだけ、それだけ ３

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「…知念さあ。

Aの幸せ祈ってるんじゃないの？」


侑李「当たり前じゃん。」




俺と会話してるはずなのに、 知念は二人から目を離さない。


幼馴染だからって、お互いの恋愛まで気にするのはおかしい。






「だったらなんでそんな顔してんだよ。

Aの幸せくらい、素直に祝ってやれよ。」


侑李「祝ってるよ。」


「だったらあのキスなんてどーでもいいだろ。

なんでいちいち食ってかかるんだよ。」


侑李「べつに、そんなわけじゃ… 」




知念の眉がピックと動いた。

俺はそれを見逃さなかった。






「いい加減、A離れしたら？ 」




核心の一言をついた俺。

知念は俺にしっかりと目を合わせた。





侑李「なんだよそれ。」


「いちいちAのこと気にするのって、自分がAから離れられないからだろ。

あいつにはずっと必要とされたくて、そばにいたい。

離れられない。そうだろ？」




侑李「ちがう。」


「それなのにお前は一丁前に恋愛して、彼女作って…

見てるだけでムカつくよ。」


侑李「なんで大ちゃんにそんなこと… 」


「Aの気持ちなんて知らねーくせに自分が必要な時になったらAに頼るとか、

やめろよ。」





たぶん、侑李には伝わってない。

俺はバカだから上手く伝えられてない。



Aはまだ侑李は好きだ。


それを変えるように今前を向きかけてるのに、もし今知念がいっきにAにせまったらAきもちがまた揺らぐ。



さっきのああいうことしたら、Aは困ると思う。






「一回Aと距離置いてくれないか？」




お願いだから知念。

わかってくれよ。






侑李「… 意味、わかんないから。」

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