好きなだけ、それだけ ３

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ーーー 大貴 サイド





「知念、 ちょっと。」





体育が終わり、 その瞬間に知念は体育館を足早にでようとした。

知念を引き留める。





侑李「なに？ 今ちょっと急いでるんだけど。」


「そんなツンツンすんなよ。 急いでるって、Aのとこだろ？」


侑李「そうだけど。 なに？ 大ちゃんは行かなくていいよ。僕がいく。」



「行くなんて一言も言ってねーし。」


侑李「じゃあなに？」


「…Aになんかした？」






Aが侑李のこと嫌いにならない限り、絶対にないと思ってた。

他のやつと付き合うなんて。

正直、何考えてんだって感じ。






侑李「なんもしてないよ。なんもしてないから戸惑ってんじゃん。

Aが僕のことどうして嫌いになったかわかんないんじゃん。」






俺から視線を外し、 眉を寄せて困った表情で行った知念。


確かに..

俺もお弁当食べれない、って聞いてすごくショックだった。


なんでそうなったのかも全く分からなくて、どうしようもなくて。


だから知念の気持ちもわかるんだ。






「あのさ。 もしAが知念のこと好きだったらどうする？」





でも俺はAの気持ちを尊重してあげたい。

俺らは片思い同士、今までずっと支え合ってきたんだから。






侑李「なに言ってんの、大ちゃん。」


大貴「いいから。 どうすんだよ。」




答えようとしたない知念。

俺は答えるまで返さない。





侑李「僕には杏奈がいるから。 Aはずっと幼馴染みだよ。」


「そうか。」


侑李「じゃあ僕行くから。」




そう言って再び走り出した知念。

体育館から姿を消した。

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