今日も兄弟は奮闘中

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S:海人


「っ、ゲホゲホ…っ、やだ…んっ、…」



紫耀「もうちょっとな。」



もうちょっとってあと何秒なの？笑



紫耀「手は出さないで。こら、だめ。」




「っ、ゲホゲホ…っ、んっ…んっ、いゃ…泣」



苦しいし、長いし…



紫耀「はい、おわり。いい子。」



呼吸が全然できないくて苦しいけど
吸引はもっと苦しい。



でもそのあと楽になるの。



しばらく経つとまたすぐ苦しくなるけど…



だからそれの繰り返し。



でも頑張ってたら、苦しい時間も短くなる。



…
…


紫耀「よくなってきたから
検査したいんだけど。
血液検査は家でできるから家でやろうな。」



「ん…」



紫耀「レントゲンは病院でしかできないから。
そこだけは頑張ってもらわなきゃだけど。」



レントゲンなんて痛くも痒くもないけど、
病院にどうしても行きたくなくて、
頷かなかった。


紫耀「血液検査からやるよ。」



「…ん」



痛いからいやだな…


手の甲針の跡だらけ…



紫耀「んー、ここかな。」



「っ！！にぃ…」



紫耀「こら。危ないでしょ？」



「…手の甲やめてほしい…」



紫耀「でも海人はここが一番とりやすいんだよ。」



知ってるよ…


俺血管が細いからとれないんだって。



小さい頃何回も失敗されて
大泣きした記憶ある。



紫耀「一回で決めるから。な？」



そんな顔で言われたら…



お願いするしかないじゃん…



紫耀「ここね、ちょっと痛いよ？」



「っ、いたっ！！」



紫耀「大丈夫、入ったから。
体の力抜いて。大丈夫だから。」



「…んぅ…痛いもん…」



紫耀「はは、ごめんって。笑
でも、今日はたくさん頑張ってるね。」



「…きょうも…」



紫耀「そうだね、今日も頑張ってるね。笑」



今日は採血頑張れた！！


どうしても頑張れない時もあるのに。



心って不思議…



紫耀「おしまい。
ここ抑えてて？」



「にぃやって…」



紫耀「ええ。笑」


「じゃあやだ…これポイする…」



紫耀「全く。わがまま末っ子め。笑」



「ふふ！笑」



末っ子の特権だもん！！



でもまだいやなことが残ってた…



そのこと思い出すと
心がずんってなって
泣きたくなる。

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