episode.59 ページ9
*
岩本side
『話したいことがあるので事務所に集まってください。何時になってもいいので全員絶対来てください。』
阿部のいない8人のグループLINEに目黒からそう送られてきたのは、仕事を終えてジムでトレーニングをしている時だった。
一度解散した後に集められるなんてこと普段まずないし、なにより発信者が目黒となると、阿部のことで間違いないんだろうと察する。
了解、とだけ返して事務所に向かうと、今朝も集まった稽古場には既に目黒とラウールがいた。
視線の先には泣きじゃくるラウールと、それを必死に宥める目黒の姿。
ただでさえいつも通りのテンションとはいかないのに、目の前の状況は俺を静かに混乱させた。
ズカズカと入って行く気にはなれなくて、壁を隔ててすぐそこにいる目黒にメッセージを入れる。
【 着いたんだけど、入っても平気そう？ラウール大丈夫？ 】
すぐに既読がつくと、返事ではなく中から目黒の声が聞こえた。
目「ラウール、そろそろみんな来るよ。ちょっと落ち着いた？ん、大丈夫大丈夫。」
数分して、今度はメッセージが届く。
目【 すみません、もう大丈夫です。】
不自然にならないように少し経ってから入って行くと、マスクを目の下ギリギリまで引っ張ってフードを深く被っているラウールと目が合って、さっきまで泣いていたことはこれっぽっちも隠せていないけどそこには触れずに俺も椅子に座った。
突然の呼び出しにもかかわらず、俺が来てから30分くらい、目黒の連絡からはものの1時間程で8人が集まった。
目「遅い時間に突然ごめんなさい。多分みんな気付いてると思うけど、今朝の話で、阿部ちゃんのことです。」
みんな、黙って頷く。
目「俺の思ってることを話そうと思ったんだけど、まず、それよりも先にラウールの話を聞いて欲しくて。ラウ、話せそう？」
目黒の問いかけに小さく頷いたラウールが、被っていたフードとマスクを外すと、真っ赤な目と鼻があらわになった。
ゆっくりと、でもしっかりと前を向いて話し始めた。
ラ「確証はないから、子供の妄想だと思って聞いて欲しいんだけど。
もしね、もし、俺の考えてることが、万が一本当だったら、阿部ちゃん、その、、
治らない、病気、かも。」
最年少とはいえ頭も良く考え方だってちゃんとしてるラウから発せられた言葉は、とてもじゃないけど信じたくないものだった。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
