episode.83 ページ33
*
目黒side
楽屋でしょっぴーと喧嘩していつも以上に拗ねているラウールを連れ出して、スタジオからすぐのところにあるコンビニにやってきた。
目「ラウール、お菓子持っておいで、買ってやるから。」
なんでそんなに拗ねてんのとか、そんなに怒んなよとか、敢えて言わずにいつも通りに接してみる。
年齢こそまだまだ子どもだけど、考えていることなんかは凄くしっかりしているラウールだから、きっと何か理由があったのだろう。
自分で話したくなるまでのんびり付き合おうか。
目「ここ駄菓子コーナーあんじゃん！あ、ラウール、このアイス半分こしない？」
いつもより少し増しめのテンションでどんよりした空気を払おうとしても、尚浮かない顔をするラウールは、ゆっくりとお菓子コーナーに足を進めた。
やっぱり買うものは決まっていたようで、ぽいぽいとカゴに入れていく。
目「へー、それラウ好きだったんだ、知らなかった。」
カゴの中を覗くと、ブラックサンダーにビスコに大粒ラムネ。
そこまで大好き！ってほど食べてるのを見たことはなかったけど、はまってるのかな。
目「もういいの？お会計してくるから、貸して。」
買ってやるよ、なんて言うほどの値段でもないんだけど、少しでも気が晴れればと思ってそのカゴを貰おうとした。
けど、ラウールはカゴを離さなかった。
ラ「いい、大丈夫。自分で買うから。」
やっと言葉を発したかと思ったら、自分で買うから良いって。
とにかく今は好きにさせようって思ってるから、それ以上は何も言わずに俺は俺で会計を済ませた。
コンビニを出て、ちょうど良く隣にあった小さな公園に寄って、さっき買ったアイスを半分ラウールに渡した。
小さい声でありがとうって言ってきた後、ぽつぽつと話し始めた。
ラ「俺が食べたくて持ってたんじゃないの…」
目「あ、そうだったの。じゃあ誰かにあげようと思ってたの？」
ラウールは、こくっと頷いた。
なるほどね、いつも以上に怒っていた理由はそれだったのか。
目「誰？メンバー？」
また同じように頷いたのを見て、誰かこのお菓子好きな人いたっけなと考える。
ラウが買ってたお菓子をひとつずつ思い出して…
目「あ、阿部ちゃん？」
俯いたまま、誰にも言わないつもりだったのに、って。
考えていることがなんとなく分かって、俺は大型犬にするみたいにラウールの頭をくしゃくしゃと撫でた。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
